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「輪切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

輪切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
返って、騒々しい桟橋の雑鬧《ざっとう》の間にさびしく横たわっている。 水夫が、輪切りにした椰子《やし》の実でよごれた甲板《かんぱん》を単調にごし/\ごし/\と....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
向きに浮いているだけであった。すき透るような新しい湯は風呂いっぱいにみなぎって、輪切りの柚《ゆず》があたたかい波にゆらゆらと流れていた。窓硝子を洩れる真昼の冬の....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
池の前に越して来て、鯉と隣附き合いになってみると、目の前から引き上げられて、俎で輪切りは酷い。……板前の都合もあろうし、またわがままを言うのではない。…… 活....
」より 著者:海野十三
ポツ雨が降ってきた。密林の雨は騒々しい。木の葉がパリパリと鳴った。 丸太ン棒を輪切りにして、その上に板をうちつけた腰掛の下から、一陣の風がサッと吹きだした。床....
三人の双生児」より 著者:海野十三
など、いかがでございます」 「さあ、――明神さまのお祭りだとか、それから太い竹を輪切りにしてくれるサギッチョウなどというものがありました」 「ああ左義長のことで....
食魔」より 著者:岡本かの子
すかのような薄浅黄色のスープが置かれてある。いつの間に近寄って来たか給仕の老人は輪切りにした牛骨の載れる皿を銀盤で捧げて立っている。老人は客が食指を動し来る呼吸....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
しろ向きに浮いているだけであった。すき透るような新しい湯は風呂いっぱいに漲って、輪切りの柚があたたかい波にゆらゆらと流れていた。窓硝子を洩れる真昼の冬の日に照ら....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
の声を放った。そうでもあろう。胴のまわり一|米三、厚さ十|糎というでかい蟒の胴を輪切りにした燻製が、常例ビフテキに使っていた特大皿から、はみ出しそうになっている....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
うかんでいたり、たべようと思ってパイナップルのかんづめをあけると、たちまち中から輪切りになったパイナップルや、おつゆがとびだしてきて、宙をにげまわるなどと、いう....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
りゃ虫が知らすと見えました。御褒美に遣わさるる石臼なれば可けれども==この坊主を輪切りにして、スッポン煮を賞翫あれ、姫、お昼寝の御目覚ましに==と記してあろうも....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
た。芋を売る店、焼けた缶詰を山のように積んでいる店、西瓜を十個ほど並べて、それを輪切りに赤いところを見せている店、小さい梨を売る店――などと、食い物店が多かった....
剣侠」より 著者:国枝史郎
切り! こいつだけは受けられない、ダーッとドップリ胴へ入るだろう! と、完全の胴輪切り! その序の業が行なわれた。 釣られた釣られた主水は釣られた! あッ、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た太刀の交叉をといて、ハッと柔かに上へ上げて、兵馬がそれへのっかかってば紋也は胴輪切りだ。が、紋也は未然に察しその裏をかいて飛びのくや、小門を肩でグッーと押して....
鮑の宿借り作り」より 著者:北大路魯山人
どにきゅうりなどを二寸ぐらいに切り、それを千切りにして下へ敷く。わたは別に外して輪切りにして添える。あしらいものに青じそを細かく刻んで添えるなども風情があってよ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
のが蓮根だの、慈姑だの普通煮て食べる種類のものを、ただ皮を剥いただけで、ざくざく輪切りにしたものでありました。その当時はただ珍しい原始的なことをするものだくらい....