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「輪塔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

輪塔の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
うとは思いがけなかった。 「これから五丁東へ下《くだ》ると、道端《みちばた》に五輪塔《ごりんのとう》が御座んす。ついでに長良《ながら》の乙女《おとめ》の墓を見て....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
城を構えて、今も停車場の南に城山の古蹟を残している位であるから、苔の蒼い墓石は五輪塔のような形式でほとんど完全に保存されている。これに列んで其の妻の墓もある。そ....
狐の手帳」より 著者:田中貢太郎
な目にあわされるかも判らない、これは隠れるが好いと思いだしたので、其処にあった五輪塔の陰へ蹲んで覗いていた。 跫音は直ぐ前に来た。二十二三の壮い男の姿が其処に....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
平等院の岸近く細長い島がある。浮島と云うそうだ。島を蔽う枯葭の中から十三層の石輪塔が見える。 「あの塔は何かね、先には見かけなかった様だが」 「近頃掘り出した....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、おばけだから、出入りは自由だわ。」 するすると早や絹地を、たちまち、水晶の五輪塔を、月影の梨の花が包んだような、扉に白く絵の姿を半ば映した。 「そりゃ、いけ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
愚劣にして残忍なることよ。 そこで、宇治山田の米友が、高さ二丈を数える巨大な五輪塔の上によじのぼって、その風大《ふうだい》の上に足をふまえて、頂上の空輪を取っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一度《ひとたび》廻《めぐ》らせば一劫《いちごう》の苦輪《くりん》を救うという報輪塔が、よくこの風車に似ている。 明治維新の時に、神仏の混淆《こんこう》がいた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の右下隅に向って歩みを進めたから、お雪ちゃんも注意して見ると、崩れかかった石の五輪塔に、文字の読みかねた二三本の卒都婆《そとば》が突き刺されているのを認めました....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
うになって重なり合い、またその背後には、回教風を真似た鋭い塔の尖や、西印度式の五輪塔でも思わすような、建物の上層がもくもくと聳え立っていた。そして、その遥か中空....
磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
城を構えて、今も停車場の南に城山の古蹟を残している位であるから、苔の蒼い墓石は五輪塔のような形式で殆ど完全に保存されている。これに列んでその妻の墓もある。その傍....