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「輪飾り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

輪飾りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新世帯」より 著者:徳田秋声
、この界隈ばかりは明るかった。奥は奥で、神棚の燈明がハタハタ風に揺めいて、小さい輪飾りの根松の緑に、もう新しい年の影が見えた。 お国は近所の髪結に髪を結わして....
足迹」より 著者:徳田秋声
になると、天神の境内から男坂の方へ降りて行った。どの町を歩いても、軒ごとに門松や輪飾りが綺麗に出来|揚って、新しい春がもう来たようであった。羽子板を突いている少....
カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
から来たかと思う駄馬が顔を出したり、小さな教会堂の門前へ隣のカフェの開業祝いの花輪飾りが押し立ててあったり、また日本一モダーンなショーウィンドウの前にめざしの頭....
父の手紙」より 著者:宮本百合子
筆まめに娘へのたよりをくれた。白いふーわりとした服をつけた女の児が、頭に春の花の輪飾りをのせて、嬉しそうにリンゴでお手玉をとっている絵ハガキに、お手玉うたのよう....
雑記帳より(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
の面倒くさいわ、チキンライスにしましょう」。 ある家庭で歳末に令嬢二人母君から輪飾りに裏白とゆずり葉と御幣を結び付ける仕事を命ぜられて珍しく神妙にめったにはし....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
外套だった。椅子を持って来て取りおろさした。鴨居にあるのは小さな錆び釘で、正月の輪飾りをかけた残りのものだった。 正枝は腹をたてて、外套を持っていった。 終....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
ころと、スッと圓太郎は立ち上がった。菰冠《こもかぶ》りがひとつドデンと据えられ、輪飾りや七五三《しめ》飾りがちらばっている大きな台所へゆくと、チャンと大工道具が....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
市史稿――風俗篇』を寝床で読みながら、うつらうつら眠ってしまう。 夕方、女房と輪飾り、門松などとげぬき地蔵の方へ買いに行く。生の鰻の頭をみつけ、買って帰る。 ....
雑記」より 著者:種田山頭火
私には私らしい、庵には庵らしいお正月が来た。明けましてまずはおめでとうございます、とおよろこびを申しあげる。門松や輪飾りはめんどうくさいから止めにして、裏山から歯朶を五六本折ってきて瓶に挿した。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ために破壊されたと思うがために、――さらに複雑だった。 淀のながれには、門松の輪飾りや、初春のものを乗せた小舟が忙しげに棹さしていた。それを見ると、朱実は、 ....