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輿入れ
「輿入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輿入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
両を贈ることで、まず相談が纏まった。六月はじめの吉日に、お節は鍋久の店へめでたく
輿入れを済ませて、若夫婦の仲もむつまじく見えた。 それから更にふた月ほど経て、....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
向きにはなんと言うことも出来なかった。縁談は故障なく運んで、いよいよ今夜は嫁御の
輿入れというめでたい日の朝である。越智の屋敷の家来らは思いもよらない椿事におどろ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
から来た」と、梁は訊いた。 「わたくしは楊州の或る家の娘でございます。きょう他へ
輿入れをする筈で、昼間から家を出ますと、その途中で俄かに大風が吹いて来まして、ど....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
耳にする私としては、これまでの修行場の引越しとは異って、何となく気がかり……幾分
輿入れ前の花嫁さんの気持、と言ったようなところがあるのでした。つまり、うれしいよ....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
われる武家には、不思議な習慣があった。妻の供がたくさんつく。たとえば、近衛家から
輿入れがあると、それに身分の高い上臈がついて行く。御簾中が正妻だが、ついてきた上....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
んだそうです。そこで、ことしももう余日がないので、来春になったらばいよいよお蝶を
輿入れさせるということに取りきめて、まずこの一件も一埒明いたのでした。しかし物事....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
」 「それから娘はどうしました?」 「翌年、他藩の重役のご子息のもとへ、めでたく
輿入れなされたそうで」 「結構なことで、フン!」 「結構でないのは若党――お侍さ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
とそれから身分が違う。と云うのは女房のお菊というのは、富豪の商人の松倉屋などへ、
輿入れすることなど出来そうもない、貧しい町家の娘だそうだ。で女から云う時は、松倉....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
泉守は囁いた。それから追っかけてこういった。「大御所様二十番目の姫|満千姫君のお
輿入れについては、お噂ご存知でござろうな?」 「は、よく承知でござります」 「上....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たあなたが大旗本などの、一時養女ということになって、そこから北条家へ花嫁として、
輿入れなさるのをお望みならば、きっと私は父を説いて、許しを得るよういたします。父....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
も型のごとく済んで、この縁談はめでたく纏まった。但しお妻は十九の厄年であるので、
輿入れは来年の春として、年内に結納の取交せをすませることになった。近江屋も相当の....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
んだそうです。そこで、ことしももう余日がないので、来春になったらばいよいよお蝶を
輿入れさせるということに取りきめて、まずこの一件も一埒明いたのでした。しかし物事....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
お耳に入れました通り、小石川の伯母御様の御なこうどで、飯田町の御屋敷から奥様がお
輿入れになりそうな。明けても暮れてもそればっかりが胸につかえて……。恐れながら殿....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ん。その小さいお姫様をよく育ててと、御熱心なのは涙ぐましいようでした。長州からお
輿入れになったとの事ですが、ただ美しいといっても、艶なのと違ってお品よく、見飽き....
「帝展の美人画」より 著者:上村松園
三年追われずくめでして、まだ先年からの御用画も出来ていませず、それに高松宮様にお
輿入れの徳川喜久子姫さまがお持ちになる二曲一双の日が迫っており、一方では伊太利展....