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轂
「轂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
轂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「蒲団」より 著者:田山花袋
た。一刻毎に集り来る人の群、殊に六時の神戸急行は乗客が多く、二等室も時の間に肩摩
轂撃の光景となった。時雄は二階の壺屋からサンドウィッチを二箱買って芳子に渡した。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
慾の皮がつッ張った連中の、年々の福を祝うてウンと金が儲かるようと、それさに肩摩｜
轂撃、押すなおすなの雑沓を現ずるのだが、何がさて、大慾は無慾に近く、とりにゆくの....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
廻った。 いつも賑やかな浅草は、その日も素晴らしい賑わいで、奥山のあたりは肩摩
轂撃、歩きにくいほどであった。 小芝居、手品、見世物、軽業、――興行物の掛け小....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
は思わなかったが、詩経で小戎の篇の小戎※収、五※梁※、游環脅駆、陰※※続、文茵暢
轂、という所と、韓奕の篇の王錫韓侯、淑※綏章、箪※錯衡、玄袞赤※、鉤膺鏤錫、※※....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
前あるいは一乱以後という語をしばしば用いている。そもそも応仁の乱というものは、輦
轂《れんこく》の下、将軍の御膝元での兵乱としては、いかに足利時代にしても、まこと....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ぶかっこうだった。ちょうど大きな大砲をのせる砲車のようだった。車輪や箍《たが》や
轂《こしき》や心棒や梶棒などは厚く道路の泥をかぶって、大会堂を塗るにもふさわしい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
難をきわめ、各師団は泥濘《でいねい》の中に足を取られた。砲車は轍《わだち》の中に
轂《こしき》の所までも没した。その上、ワーヴルの狭い橋でディール河を越さなければ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
進とを得るであろう。現今にあっては、パリーからの疫病の放射は、ルーヴルを疫病車の
轂《こしき》とすれば、その周囲五十里におよんでいる。
過去十世紀の間汚水溝渠は....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
》の番附《プログラム》を触れ売りする若い衆、コンフェッチを鬻《ひさ》ぐ娘など肩摩
轂撃の大雑踏大混雑、行列《マルソウ》の先駆を務めるのは、長い喇叭《コルネット》を....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
《せんじょう》、森田悟由、釈雲照、勝峯大徹、織田得能らのごとき、これらの人々は輦
轂《れんこく》のもとに勢力を有しておった。地方には今北洪川、西有穆山《にしありぼ....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
、そのエレベーターが吐き出す人数は、下の十字路を通る群衆の中になだれ込んで、肩摩
轂撃の修羅場を現出する。これは少し仰山な言葉かも知れんが、兎に角大変な混雑である....
「上野」より 著者:永井荷風
》るを待たずして独逸に遊学する談話とを以て局を結んでいる。今日不忍池の周囲は肩摩
轂撃《けんまこくげき》の地となったので、散歩の書生が薄暮池に睡る水禽を盗み捕える....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の発展は驚くべきものならん。 層楼櫛比舞埃城、狭路電車縦又横、日欲時人集散、肩肩
轂轂撃摩行。 （高層の建物が櫛の歯のごとくならぶ舞埃城市は、狭い街路を電車が縦横....
「新撰組」より 著者:服部之総
候に付ては、旧弊一新、人心協和候様これなく候ては相成らざる義に候ところ、近来｜輦
轂《れんこく》の下、私に殺害等の儀これあり、畢竟《ひっきょう》言語｜壅蔽《ようへ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
いることをも考慮に加えなければならない。座敷著姿の艶っぽい芸者や雛妓等があの肩摩
轂撃的の人出の中を掻き分けながら、こちらの横町から向うの横町へと渡り歩いている光....