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轎
「轎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
轎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
寺に往き墓参に往く男女が街路に溢れていた。その人びとの中には輿に乗る者もあれば、
轎に乗る者もあり、また馬や驢に乗る者もあり、舟で往く者もあった。 許宣は銭塘門....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
いに理由のあることと思われる。 印度において旅客運搬を業としているのは、土人の
轎舁《かごか》きであるが、彼らは我国の雲助にも劣った、真に裸一貫の輩であるから、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ために※を娶ることになった。新婦の里方も大家で、沙河門外に住んでいた。 新婦は
轎に乗せられ、供の者|大勢は馬上でその前後を囲んで練り出して来る途中、一つの古い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けていない、薄青い絹で例の法体の頭から面をつつんでいる。そうして、四方取放しの竹
轎《たけかご》を四人の者に舁《かつ》がせて、悠然としてそれに打乗っている。前の場....
「小翠」より 著者:田中貢太郎
の亭園にいてくれというと承知した。そこで従者をやって夫人に知らした。夫人は驚いて
轎に乗ってゆき、鑰を啓けて亭に入った。小翠は趨っていって迎えた。夫人は小翠の手を....
「怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
いる魔神の犠牲にせられようとしていた。そこで郭は、娘を慰めて待っていると、果して
轎に乗って数多の供を伴れた男が来た。郭は珍しい肴を献上するといって、鹿の※を出す....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
富子の閨房へ往って隙を見て、袈裟を被せ、力をきわめて押しふせた。そこへ法海和尚の
轎が来た。和尚は何か念じながら豊雄を退かして袈裟を除ってみると、そこには富子がぐ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
お金持じゃないの? お前は今三人のお妾さんがあって、外に出る時には八人|舁きの大
轎に乗って、それでもお金持じゃないの? ホホ何と被仰ろうが、私を瞞すことは出来な....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
した。 「さよか」と吉之助様はおっしゃいまして、しばらく考えておられましたが、「
轎夫、この駕籠を茶屋の前で止めろ、人数の真ん中へ舁き据えてくれ」とこのようにおっ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
もすけ》のために迷惑《めいわく》を受けた――程度は違うにしても――と同じように、
轎夫《きょうふ》が分からぬことをいって賃銭《ちんせん》を強請《ねだ》ったり、この....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
のはこれから順調な幸福な生涯を送られるためであるようにと思いますよ。――おうい、
轎★だ!」 その弁護士にと同様にたぶん自分自身にも少し腹を立てて、ロリー氏はせ....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
れと目星をつけた、美男の住んでいる家の玄関へ、今云ったような張り紙をし、それから
轎で迎いに来るのだ。 男は絶対に拒絶することが出来ない。もし拒絶しようものなら....
「棄轎」より 著者:田中貢太郎
異様な物を見つけた。 「ほう」 それは見る眼にも眩しい金と銀の金具をちりばめた
轎であった。 「諸侯の乗るような
轎じゃねえか」 それにしても、
轎夫もいなければ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
る。) たちまちにして見物案内者、争って船中に入る。余も案内を雇い、椅子つきの
轎に駕し、三人これをかつぎて半日、市の内外を周覧す。案内者はみな英語に通ず。 ....
「悪僧」より 著者:田中貢太郎
太い棒を手にした壮い和尚が意識を失いかけた彼の眼に映った。 黄金の金具を打った
轎が町の四辻を南の方へ曲って往った。
轎の背後にはお供の少女が歩いていた。それは麗....