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「轟かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

轟かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
又、家」より 著者:宮本百合子
たか判らない。 相当の家作持ちらしく、若い夫妻である彼等は、決して、近所で名を轟かす、大家の虎屋のようなものではないらしかった。 勿論虎屋と云っても、別に特....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない。いつのまに殿様は、お外しになったのか、気がつかなかった、とお松はそれに胸を轟かすと共に、重い鉛を飲まされたように心がわくわくして、踏む足もとが、しどろに狂....
枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
色、霜枯れの野の色を見ては、どうしたらあんな色が出来るだろうと、それが一つの胸を轟かすような望みであった。伯父は画かきになったらどうだと云った事がある。自分も中....
夕凪と夕風」より 著者:寺田寅彦
遠い沖の海鳴りを聞いた。海抜二百メートルくらいの山脈をへだてて三里もさきの海浜を轟かす土用波の音が山を越えて響いてくるのである。その重苦しい何かしら凶事を予感さ....
地上」より 著者:島田清次郎
「国語の教師」Kの皮膚の下に未だ息づいている「文学失敗者」Kは平一郎のうちに胸を轟かすような芽生えを見つめていた。殊に平一郎があの美しい少年の深井を愛している浄....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
て押し寄せた。 同年十月八日から厩橋城を打ち囲み、追手搦手から揉み合わせ、攻め轟かすこと雷霆もこれを避けるであろうという状況である。 血は、城のお壕に溢れ、....