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「轣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

轣の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
して、密とその袂の端を圧えた。 「さようなら!」 勢よく引返すと、早や門の外を轆として車が行く。 「暑い、暑い、どうも大変に暑いのね。」 菅子はもうそこに....
星あかり」より 著者:泉鏡花
で、ありのまま衝と消えた。 今は最う、さっきから荷車が唯辷ってあるいて、少しも轆の音の聞えなかったことも念頭に置かないで、早くこの懊悩を洗い流そうと、一直線....
三枚続」より 著者:泉鏡花
る蛍かとばかり、暗夜を貫いて東西より、衝と寄っては颯と分れ、且つ消え、且つ顕れ、轆として近き来り、殷々として遠ざかる、響の中に車夫の懸声、蒸気の笛、ほとんど名....
三国志」より 著者:吉川英治
上にあった。自ら太政相国と称し、宮門の出入には、金花の車蓋に万珠の簾を垂れこめ、音揺々と、行装の綺羅と勢威を内外に誇り示した。 ある日。 彼の秘書官たる李....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
いのである。 東京でも見た。 この横浜でも彼は見ている。 金モールを載せて轆と帝都を駛る貴顕大官の馬車や、開港場の黄金時代に乗って、大廈高楼に豪杯を挙げ....
四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
尾を引いていた時代である。夜の新宿は暗く、朝の宿場は府中、八王子辺から来る馬力が轆《れきろく》として続いたに違いない。その時分の流行歌に、――一時二時までひや....