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辛棒
「辛棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辛棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
さんの鶉をとり、ローン河にては鱒を漁った。」 などとある。 かくファラデーが、
辛棒出来かねる様にいうているのは、そもそも何の事件であるか。これにはデビイの事を....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
びれて来たようですから。」と云った。
「いや、そんな事はありません。もう二三日の
辛棒《しんぼう》です。」
戸沢は手を洗っていた。
「じきに楽になりますよ。――....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
カノ本復スルカト思エバ全快スノ方ノ組デス、当所へ参リマス前、凡ソ半年ホドヲ鵠沼ニ
辛棒シテオリマシタガ、無論ドットネテイルトイウデハアリマセズ、ソレガカエッテ苦痛....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
根の上から、チョコンと出ている一つの首には気がつかなかった。それこそは岡引虎松の
辛棒づよい偵察姿勢だとは知る由もなかった。彼は怪人の正体がどう考えても解けない口....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
先刻この窓を攀じのぼるとき、お尻を持ち上げてもらった巡邏の警官だった。彼は今まで
辛棒づよく、この窓下に待っていたものらしい。――同じように逡いだ街の科学者速水に....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
がっかりしないで、元気を出して、またつくってみるんだね。およそ研究というものは、
辛棒《しんぼう》くらべみたいなものだ。忍耐心がないと成功はおぼつかない。……とに....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
る気なんて毛頭ない夫の心を私はよく知っていたのです。また私自身にしてみても今まで
辛棒してきたのに、今更別れようとは思わないのですが、夫婦の間に秘密があるというこ....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
失敗は取り返す。どんなことがあっても――、犯人を捕えずにはおかない。どうぞ、暫く
辛棒して下さい」 そこへ給仕が一葉の名刺を手にして入って来た。 「赤星さん、こ....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
嫌いになったんですか? もう直きに取り次ぎ電話が酒屋さんからかかってきますから、
辛棒していらっしゃいよ。そして気晴らしに桃子さんに会って、機嫌よく帰っていらっし....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
すが、そうなるまでが大変なのです。非常な努力と長い時日とを要する仕事なので、その
辛棒が彼に出来るかどうかと、実は危ぶまれたのでしたが――。 その時から彼は私に....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
はけない訳さ。窓外の梅の花はもう二、三分ほど綻びて居る。寒いと言ってもここ少しの
辛棒だ。 今クロポトキンの『謀反人の言葉』という本を読んでいる。クロがフランス....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
んなにして、みんなの言うように本当の尼さんのようになったところで、それがいつまで
辛棒できるかと思うと、自分でも恐ろしくなりますの。私今まで軍人の奥さんで、ことに....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
初の間はそんな風でろくに食べずにいたが、しかしそれでは腹がへって仕方がないので、
辛棒しいしいだんだんに食って行った。そして終いには、一日分の筈の黒パンも来るとす....
「食魔」より 著者:岡本かの子
物樽の糠加減を弄っている姿なぞは頼まれてもできる芸ではない。生れ附き飛び離れた食
辛棒なのだろうか、それとも意趣があって懸命にこの本能に縋り通して行こうとしている....
「富士」より 著者:岡本かの子
うか、それが気になった。前の方の理由からならば一夜ぐらい離れていることはとかくに
辛棒はしてもいい。しかし後の方の理由からとしたならこれは卒爾《そつじ》には済まさ....