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「辛苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辛苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
救うために地上へ御降誕《ごこうたん》なすったのです。お聞きなさい、御一生の御艱難辛苦《ごかんなんしんく》を!」 神聖な感動に充ち満ちた神父はそちらこちらを歩き....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は酒飲みでも或は又|博奕《ばくち》打ちでも好い。問題は唯尊徳である。どう云う艱難辛苦《かんなんしんく》をしても独学を廃さなかった尊徳である。我我少年は尊徳のよう....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
んの話もいいがあとが人をくさらしていけないと評するのであった。 小そのが永年の辛苦で一通りの財産も出来、座敷の勤めも自由な選択が許されるようになった十年ほど前....
高野聖」より 著者:泉鏡花
》てられて末までは雫《しずく》も通わぬので、揉《も》まれ、揺られて具《つぶ》さに辛苦《しんく》を嘗《な》めるという風情《ふぜい》、この方は姿も窶《やつ》れ容《か....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に戦死と認知されて、死亡通知の発せられた幽霊人だった。しかし彼は傷いた艦と共に、辛苦を分かち、墨西哥の某港によって秘かに艦の修理に従事し、その完成を待って、再び....
薬草取」より 著者:泉鏡花
す。以前はそれがために類少い女を一人、犠にしたくらいですから、今度は自分がどんな辛苦も決して厭わない。いかにもしてその花が欲しいですが。」 言う中に胸が迫って....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
帳越に打視め、 「お最愛しい、沢山お窶れ遊ばした。罪も報もない方が、こんなに艱難辛苦して、命に懸けても唄が聞きたいとおっしゃるのも、母さんの恋しさゆえ。 その....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
れける。水上芳之助は年紀十六、そのいう処、行う処、無邪気なれどもあどけなからず。辛苦のうちに生たちて浮世を知れる状見えつ。もののいいぶりはきはきして、齢のわりに....
故郷」より 著者:井上紅梅
ることを望まない。しかしながら彼等は一脈の気を求むるために、凡てがわたしのように辛苦展転して生活することを望まない。また彼等の凡てが閏土のように辛苦麻痺して生活....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
は雨があり風があり、沈むばかりに船が傾くことがありますように、私もさまざまな艱難辛苦の時を経てまいりました。ある時は芸術的な行き詰まりに、ある時は人間的な悩みに....
雪柳」より 著者:泉鏡花
とも限らんもんや。したが、尼も、この奉公を振出しに、それは、それは太いこと、苦労辛苦をしたもんや。」 ここで、長々と身の上話がはじまった。が、くどいから略しま....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
は嚶鳴社以来の伝統の遺風からいっても許しがたい事だし、自分の物だからといって多年辛苦を侶にした社員をスッポかして、タダの奉公人でも追出すような了簡で葉書一枚で解....
西航日録」より 著者:井上円了
西洋諸国の文物について君は知っているのか、それとも知らないのか、すべてはあらゆる辛苦のうえでなしとげられたものなのである。) これよりさき、すなわち去月三十日....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
とい南米は富源地に満つというも、手を懐にして金もうけのできるはずなく、多少の艱難辛苦を忍ぶの覚悟あるを要す。しかしてその覚悟を断行するには、必ず強固なる意志を有....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
だけを表現して行く。ここに人間にとって最も充実した人生があります。実はそれだけで辛苦努力の報は酬われているのです。あとは雨降らば降れ、風吹かば吹けです。だが、そ....