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「辞令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辞令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
、あの女と別れるくらいは、何でもありませんといっているじゃないか? たといそれは
辞令《じれい》にしても、猛烈な執着《しゅうじゃく》はないに違いない。猛烈な、――....
「或る女」より 著者:有島武郎
書いたらしい書簡一封とを探り出した。
はたしてそれは免職と、退職慰労との会社の
辞令だった。手紙には退職慰労金の受け取り方《かた》に関する注意が事々しい行書《ぎ....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
し、楊《ヤン》先生を中国海戦科学研究所大師に任ずるものなり―― 博士はその長い
辞令を馮兵歩《ひょうへいほ》の前にぽんと放りだして、 「なんだい、これは」 と....
「蠅男」より 著者:海野十三
、大川巡査部長と、外一名であった。帆村も奇遇に愕いて尋ねると、大川巡査部長は昨日
辞令が出て、この宝塚分署の司法主任に栄転したということが分った。時も時、折も所、....
「地球要塞」より 著者:海野十三
依然としてここにおいておく。久慈君に、後を頼んでおく。もちろん本国から君あてに、
辞令が無電で届くことだろうが……」 「ほんとうかね。黒馬博士が、クロクロ島を離れ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
人間の運命を照らす、仙人の黒き符のごとき電信の文字を司ろうと思うのです。 が、
辞令も革鞄に封じました。受持の室の扉を開けるにも、鍵がなければなりません。 鍵....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
、重い不恰好な胴体を据えて、まじまじとして居る、ひきがえるとか。 人にしても、
辞令に巧な智識階級の狡猾さはとりませんが、小供や、無智な者などに露骨なワイルドな....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
市長は安楽椅子にもたれて、彼を待っていた。この市長というは土地の名家で身の丈高く
辞令に富んだ威厳のある人物であった。 『アウシュコルンの遺した手帳をお前が拾った....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
とおりである。ところがそれとはまた違つた意味で、われわれは互に、神経質な「反省的
辞令」を交換する場合が多い。そして、こういう場合こそ、われわれは、どうにもならぬ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
任命する。ついては身元保証金として、金六百円を納められたい。――活版刷りの美麗な
辞令だった。 そして、待機していると、世間は広いものだ。一生妻子を養うことが出....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
之を抜き、之を読むこと、蓮華床にして雹雪の語を聴くが如し」という、至極巧妙な外交
辞令を用いて相手を喜ばせ、尚、日本よりの貿易船は朱印を以て信牌とした故、これを所....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ったのは……挿画何枚かの居催促、大人に取っては、地位転換、面目一新という、某省の
辞令をうけて、区々たる挿画ごときは顧みなかったために債が迫った。顧みないにした処....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
から引幕を貰ったについて、現今の光栄、後代の面目と感謝したのは、あながちに一片の
辞令ばかりではないらしく、その人とその時代とのおもかげがありありと窺われるように....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ンが自分自身の出世のためになして受けた損害を、短期で軽率なエセックスが巧みな外交
辞令とともに賠償せざるをえなくなったような、傾きかたをした。 一五九五年の十月....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
あると云う風に、
話をそらしてしまうのですね。
ヒロン
お前さんなかなか
辞令に巧だ。王者にも
人民にも程の好い事を言う性だね。
ファウスト
でも....