辮髪[語句情報] »
辮髪
「辮髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辮髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ょうろう》の屋根だの、枯柳《かれやなぎ》に繋《つな》いだ兎馬《うさぎうま》だの、
辮髪《べんぱつ》を垂れた支那兵だのは、特に彼女を動かすべき理由も持っていたのだっ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ゆく馬に踏みしだかれて、波のように起伏する。それが右からも左からも、あるいは彼の
辮髪《べんぱつ》を掃《はら》ったり、あるいは彼の軍服を叩いたり、あるいはまた彼の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
て来い。」
二十分の後《のち》、村の南端の路ばたには、この二人の支那人が、互に
辮髪《べんぱつ》を結ばれたまま、枯柳《かれやなぎ》の根がたに坐っていた。
田口....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
この形や、脂じみているところなどから見ると、明らかにあの水夫たちの好んでやる長い
辮髪《べんぱつ》を結わえるのに使っていたものだよ。そのうえ、この結び方は船乗り以....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
の向うに五六人の苦力がエンコして何か喰っていた。俺は立ちあがって、そこに行った。
辮髪をトグロのように巻た不潔な野郎が、大きなマントウを頬張っているのだ。つい俺も....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
以礼はつづけた。「妹、髪と、ゴミくさい。胸、悪るい。肺病。ヘアネットの髪、田舎の
辮髪者の髪、三銭か四銭で切らして、仲買人、公司へ持って来て売る。
辮髪切らない者、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
本のかからない商売でも見つけ顔に歩き回っている男もある。おもしろい丸帽をかぶり、
辮髪をたれ下げ、金入れらしい袋を背負いながら、上陸する船客を今か今かと待ち受けて....
「惜別」より 著者:太宰治
漫を落ちついた気持で鑑賞することが出来なくなってしまうのである。その秀才たちは、
辮髪を頭のてっぺんにぐるぐる巻にして、その上に制帽をかぶっているので、制帽が異様....
「ラプンツェル」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
ると巻きつけ、右の手に剪刀を執って、ジョキリ、ジョキリ、と切り取って、その見事な
辮髪を、床の上へ切落してしまいました。そうして置いて、何の容赦もなく、この憐れな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
十フラン金貨であって、表には月桂冠《げっけいかん》の代わりに、プロシア式の小さな
辮髪《べんぱつ》が刻んであった。コゼットは目がくらむような気がした。彼女の運命は....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
へん、さよでございますか、じゃあこんどはあたくしが伺いますわ。東洋歴史で、中国で
辮髪令が出たのは何年でございますの。 父親 知らん。 母親 あーら、御存知ありま....
「中支遊記」より 著者:上村松園
うと千差万別といってよい。前額に二、三寸に梳れる程の髪を残してあとは丸坊主の子、
辮髪風に色の布で飾ったお下げを左右に残すもの、或は片々だけに下げているもの。絵に....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
いは不可能に思われるかもしれぬが、柴田君によれば、既に台湾では藁で縛って、真綿で
辮髪をまでつけて、もとの姿勢に作るとあってみれば、我において仰臥の形にそれを並べ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
な具合にすべての髪の毛を後ろへひと纒めに下げてそうして四組一筋に垂れる。で、その
辮髪の上に美しき珊瑚珠及び緑玉瑜の混ぜ合せになって居る飾りをごく可愛らしく列べる....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
あ、少し調べて見なくては。(退場。)
小さき清げなる室。
マルガレエテ
辮髪を編み結びなどしつゝ。
マルガレエテ
きょうのお方がどなただか知れ....