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辱める
「辱める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辱めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄英」より 著者:田中貢太郎
る人と思ってたが、今そんなことを言うのは、風流をもってあきないとするもので、菊を
辱めるというものだね」 すると陶は笑って言った。 「自分の力で喫ってゆくことは....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
考えた時彼は、なお一層不貞な自分の姿を見出した。その考えは、兼子をも敏子をも共に
辱めるもののように思えた。彼は何処まで自分の心が動いてゆくか恐ろしくなった。急い....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
こいらにやたらにあるものではない。 B君のことを茲にこんな風に述べたのは、彼を
辱めることになるのであろうか。私はそうでないことを希望する。こういう考え方をする....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
ていた。――この人を、どうあっても、一度は主人の居城まで連れてゆかなければ君命を
辱める事にでもなろうように。 「ふむ……」 容易には、刑部は頷かないのである、....
「三国志」より 著者:吉川英治
くまに、足を上げて蹴倒した。 曹豹は、勃然と怒って、 「おのれ、なにとて我れを
辱めるか。よくも衆の前で蹴ったな」 起き直って、つめ寄った。 張飛は、その顔....
「三国志」より 著者:吉川英治
ましたが、家運つたなく、以後流落して、臣の代にいたりましては、さらに、祖先の名を
辱めるのみであります。……それ故、身のふがいなさと、勅問のかたじけなさに思わず落....
「三国志」より 著者:吉川英治
」 「ただ議論の争いならいいが、周都督ときては、口汚なく、衆人|稠坐の中で、人を
辱めるから怪しからん。……不愉快だ。実に、我慢がならぬ」 と、唇を噛んで憤りを....
「三国志」より 著者:吉川英治
だ周瑜の病気の再発することばかり怖れていた。 牛金の来訪は依然やまない。来ては
辱めること七回に及んだ。程普はひとまず兵を収めて、呉の国元へ帰り、周瑜の瘡が完全....
「三国志」より 著者:吉川英治
へいざない、みずから膝を折って再拝した。 「厳顔。あなたは真の武将だ。人の節義を
辱めるはわが節義に恥じる。さっきからの無礼はゆるしたまえ」 「君。節義を知るか」....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
文筥は、これを開かずに、勅使へ、お返しあって然るびょう思われる。……さまで皇室を
辱めるにも及ぶまい」 聞くと、人々は色をなして。 「これや二階堂どのには、不思....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
み気色がかわって「そのような、見すぼらしき乗物は、いやしくも後醍醐と仰がるる身を
辱めるもの。獄裡の辱はしのぶとするも、長途、沿道の民草のあいだを、法師輿にひとし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼の予期に反した低姿勢にも、ふともう、お疑いはもたなかった。初めは、わざと自分を
辱めるものか? と、あえてそれに抗拒の風を示されていたが、おもむろに、御態度は柔....