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農具
「農具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
農具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
一つ見ておくんせいと腕自慢の話だ、そんな風だからおれは元から兼公が好きで、何でも
農具はみんな兼公に頼むことにしていた。 其朝なんか、よっぽど可笑《おか》しかっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んじゃ」 「恐れ入ってござります。あれなる品は槍でござりませぬ。鍬《くわ》と申す
農具にござります」 「なに、あれが鍬と申すか。ほほうのう。予はよい学問いたしたぞ....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
十銭の小作料としても、七百五十町歩だから 750×7 が五千二百五十円。それから
農具の貸し付けが十九軒だから 19×5 が九十五円。そのほかに、食糧として貸し付....
「超人間X号」より 著者:海野十三
ていた。 その次には耕地整理《こうちせいり》が行われた。それと同時に、すべての
農具も農業も、機械化された。つまり、耕地は一度みんな一つにして考え、次にそれを機....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
は高い」 「ほんとですか。桶もテンビンも、噴霧器まで揃ってますぜ。どこを探しても
農具や大工道具は売ってませんよ。そして、現在これ以上の貴重品はありません。有り過....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
誇りの一つとすることに、大きな納屋を持つということがあった。それは、鋤や鍬などの
農具を、沢山に持っているということの証拠になるからであった。それでこの納屋も、土....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
で、誰も気のつく者はないらしかった。 薄暗いのでよく判らないが、小屋のうちには
農具や、がらくた道具や、何かの俵のような物が積み込んであった。それでも身を容れる....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
革を産む、必要ならざるものに改革は望み得られない。我々は、鎌や、鋤や、鍬や、その
農具の局部的改良進歩も必要であるかもしれないが、機械的農作が行わるるならば、それ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
が悪いときには閉められるようになっていた。ここには、から竿や、馬具や、いろいろな
農具やら、また、近くの河で魚をとるための網がさがっていた。夏使うベンチが両側にな....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
には出入りの扉ありて、下のかたの壁には簑笠などをかけ、その下には鋤またや鍬などの
農具を置いてあり。その傍らには大いなる土竃ありて、棚には茶碗、小皿、鉢などの食器....
「蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
ろとろと燃ゆ。土間には坐るべき荒むしろと、腰をかくべき切株などあり。ほかに鋤鍬の
農具あり。打ちかけたる藁屑など散乱す。下のかたには丸太を柱ととしたる竹門あり。門....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
を村に帰ってきた……。 通りを三町程行くと、道をはさんで荒物屋、郵便局、床屋、
農具店、種物屋、文具店などが二、三十軒並んでいる「市街地」に出る。――由三は坊主....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
離れると佐野坂、左は白樺の林、右手は急に傾斜して小さな盆地をなしている。佐野坂は
農具川と姫川との分水嶺である。この盆地に湛える水は、即ち日本海に流れ入るのである....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
の必要以上に大規模と見える市街市街の設計でも一斑を知ることか出来るが、米国風の大
農具を用いて片っ端からあの未開の土地を開いて行こうとした跡は、私の学生時分にさえ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
見た。雫を含んだ鮮緑の広々とした牧草の平面を、また散在した収穫舎、堆肥舎、衝舎、
農具舎、その急勾配の角屋根を。 またうち湿った闊葉樹、針葉樹の林を、森を、また....