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農繁
「農繁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
農繁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
に抵抗し切れない失望の声が、黙りこくった農夫の姿から叫ばれた。
一刻の暇もない
農繁の真最中に馬市が市街地に立った。普段ならば人々は見向きもしないのだが、畑作を....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
こうなる以上は、私の所言を発表して、読者にお知らせしておくのが便利と考えられる。
農繁の時節にわざわざ集まってくださってありがたく思います。しかし今日はぜひ諸君に....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
も得意回りのついでに寄ってみて、「まア、あれならいい!」と賛成した。 一週間の
農繁休暇を利用して、いよいよ移転することになった。平生親しくした友だちは多くは離....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
」と云う農家の五月だ。農家の戦争で最劇戦は六月である。六月初旬は、小学校も臨時|
農繁休をする。猫の手でも使いたい時だ。子供一人、ドウして中々馬鹿にはならぬ。初旬....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
とを一瞥して見わける技能。 それも田舎まわりのホボとなると、自然を愛好したり、
農繁期に麦をむしったり、裏口から覗いて一食にありついて、その代りに薪を割ったり、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
するようになるそうです。築地はハムレットを千田がやっている。ひさは姉が結婚して、
農繁期になるのに田舎では雇う人手もないというので一・二ヵ月かえります。その代りに....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
奥さんの話ね、あれは先方の家庭の工合、考えようで駄目だそうです。これから十一月迄
農繁期ですからどうせなかなかないでしょう。繁治さん、きのうの日曜日にはユニフォー....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
にケプラーお送りしておきました。 きょうは、三時頃に太郎と咲が来ます。太郎は、
農繁期休暇二週間のうち、半分だけはお父さんの顔を見て来なさいと云われた由。夏の休....
「馬」より 著者:佐左木俊郎
やしに曳いて行ってやったりするのであった。部落の人達も、植付期とか収穫期とかの、
農繁期になると、子供の馬方で間に合うようなときには、伝平をわざわざ頼みに来た。 ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
しているとのことだが、むろんそれだけで足りようはずはなく、養蚕時はその手伝いに、
農繁期には日傭取りに……というふうにしてささやかな生計を立てていたのである。妹だ....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
ると、その子供が九つになっても十になっても学校へ入れようとはしません。それから、
農繁期になりますと、学校よりゃ野良仕事が大事だと言って、めったに学校へは出て来な....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
た、銀山平は夏期に耕作や養蚕に行くか、または開墾事業に従事しているのであるから、
農繁期となると殊に余分な人間が一人もいない、信州辺であると金銭問題で人夫を得るこ....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
逼ってでないと上れないのですもの。万一のことがあったら、どうするんです。殊に今は
農繁期ですよ。おすまさんだって、来てもらえやしません」 「全く、同感。しかしね、....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
その名のごとく田地の所在に設けられた小屋で、平素は居村の住宅に住んでいる農民も、
農繁期には朝夕その耕地に通うの不便を避けて、便宜ここに寝泊りしたものであった。も....
「由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
へ戻って行きますが、叱《しか》りつけられてまた山へ行きますわい」という。何でも、
農繁期の時だけ連れ帰って仕事をさせて、後は邪魔になるのでまた山へやって置くのだそ....