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辺地
「辺地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辺地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
くにも喰《く》わず、脚半《きゃはん》はきて走り出づ。清水川という村よりまたまた野
辺地《のべち》まで海岸なり、野
辺地の本町《ほんまち》といえるは、御影石《みかげい....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ん」 「飛行船隊の中から、一隻、アクロン号というのが、陸奥湾を横断して、唯今、野
辺地の上空を通っているのだ」 「どこへ、逃げてゆくのかしら」 「莫迦だなア、君は....
「李陵」より 著者:中島敦
談の上での上書と考えたのである。わが前ではあのとおり広言しておきながら、いまさら
辺地に行って急に怯気《おじけ》づくとは何事ぞという。たちまち使いが都から博徳と陵....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
なければ乗る人もない。低い綿雲が垂れ下がって乙供からは小雨が淋しくふり出した。野
辺地の浜に近い灌木の茂った斜面の上空に鳶が群れ飛んでいた。近年東京ではさっぱり鳶....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
人材が業半ばに吐血して去り、まさに亡国病たるの惨状である。この病菌と闘い、伊豆の
辺地、曾我物語発祥の地、久須美荘園の故地のみは、自らの必死の力闘によって、この病....
「故郷」より 著者:井上紅梅
ていた。目許は彼の父親ソックリで地腫れがしていたが、これはわたしも知っている。海
辺地方の百姓は年じゅう汐風に吹かれているので皆が皆こんな風になるのである。彼の頭....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
などゝ殺気の中に色気まであり、百聞は一見に如かずと食指をうごかしていたが、伊豆の
辺地に住んで汽車旅行がキライときているから、生来の弥次馬根性にもかかわらず、出足....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
★ ちょうどその頃は薩長軍が江戸をさして攻めのぼってきた時であった。山ちかい
辺地とても、流言のざわめき、軍靴の恐怖はたちこめている。農民とても、安閑としては....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
浜へ出て、陸中の海ぞいを、貝魚を拾いながら上総まで上る、とおっしゃって、陸奥の野
辺地《のへじ》というところで別れました」 と、おしえてくれた。 ◇ ....
「ザザ虫の佃煮」より 著者:佐藤垢石
てくると、縁側を弱い羽で飛んでいる秋蠅を捕った。これを餌に持って利根川へ行った。
辺地に近い石かげへ、短い竿で蠅をさした鈎を投げ込んだ。すぐ当たりがあった。小さい....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
県の南部〕、相州《そうしゅう》〔神奈川県の一部〕、その他|諸州《しょしゅう》の海
辺地には、それが天然生《てんねんせい》のようになって生《は》えている。これはもと....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
んで、所謂石城たる神籠石を山号寺号に因んだものかもしれない。 周防石城山神籠石周
辺地図 神護寺は維新前に一度第二奇兵隊の拠るところとなった。その後神仏分離の際....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
く、疑いつつ弥陀を念じても疑城胎宮(疑いを持ちつつ念仏するものの生れる極楽浄土の
辺地)といって極楽圏に対して番外当選ぐらいのところまでは行けることに、浄土教の祖....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
リ(スカッパ) 津軽 サシトリ(シカンコ) 下北佐井浜 サシトリ(スカンコ) 野
辺地 サシドリ 南部|八戸 サシドリ 鹿角郡 サシドロ ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
・コチャントデタン と啼くそうだと言った。それから鹿角郡の宮川村、または南部の野
辺地でも盛岡でも、アチャトデタカと啼くという人が多かった。即ち小鍋隠しのおかしな....