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辺境
「辺境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辺境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「軍用鮫」より 著者:海野十三
。 それを聞いた馮大監は、大いに面目を施して忝《かたじけな》いと、大よろこびで
辺境の首都さして帰っていった。 そこで楊《ヤン》博士は、俄然仕事ができて、たい....
「李陵」より 著者:中島敦
い血気盛りとあっては、輜重《しちょう》の役はあまりに情けなかったに違いない。臣が
辺境に養うところの兵は皆|荊楚《けいそ》の一騎当千の勇士なれば、願わくは彼らの一....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
……」 と息せくと、眇の、ふやけた目珠ぐるみ、片頬を掌でさし蔽うて、 「いや、
辺境のものは気が狭い。貴方が余り目覚しい人気ゆえに、恥入るか、もの嫉みをして、前....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
がまだまだ、この日満的パックス・ローマナには他に問題があったのである。満州帝国の
辺境を侵すものは純然たる支那兵とは限らない。ソヴェート治下の外蒙古軍まで、越境の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
処がまだまだ、この日満的パックス・ローマナには他に問題があるのである。満州帝国の
辺境を侵すものは純然たる支那兵とは限らない。ソヴィエト治下の外蒙古軍まで、越境の....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
二つの生活的ルンペン性が見られる。 一つは、頸白粉の若い女たちである。旧市域の
辺境あたりに多い。恐らくは、カフェーやバーなどの後を追って著しく殖えた小さな特殊....
「文学精神は言う」より 著者:豊島与志雄
なければならない。若いアメリカが持っていたもの、今もなお持ち続けているもの、所謂
辺境精神、一種の清教徒的精神、独立戦争を指導した自由の精神、そういう理想主義的な....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、放射する光によって世界を征服したる、フランス自身の権化であった。マリユスは常に
辺境に突っ立って未来をまもる赫々《かくかく》たる映像を、ボナパルトのうちに認めた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
もなく妻もなく子もなくて暮らしてきた後、あらゆる石の上に、荊棘《いばら》の上に、
辺境に、壁のほとりに、自分の血潮をしたたらしてきた後、他人よりいかに苛酷《かこく....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
「なに、万里の長城がどうしたって……。」 「延々と三千キロに近いあの大城壁です。
辺境蛮族の侵入を防ぐための大工事ですが、あれだって、淮河の治水工事と……。」 ....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
敗するかを看よ」 皇帝はじめ文武百官は、すっかり顔色を変えてしまった。 「いま
辺境に騒がせられては、ちょっと防ぐに策はない。一体どうしたらいいだろう」 風流....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
はアメリカじゅうに森林の開拓者はもちろん学問の開拓者も供給し、毎年大ぜいの木樵を
辺境におくり、教師を田舎に出している。クレーン(鶴)という苗字は彼の容姿にぴった....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
尺の白根火山が聳え、西に吾妻山、南に鳥居峠を挟んで浅間山が蟠踞している山また山の
辺境だ。 さらに、その奥の渓に干俣という部落がある。ここに、親子の熊捕りの名人....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
に新説あり。俘囚はその実浮囚と書けるを正しとし、夷種にあらずして内地の浮浪の民を
辺境に移植屯田せしめたるものなりと解するなり。文は載せて『芸文』第六年第六号(大....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
もって泰衡追討の「宣旨」を下された。その文に、 陸奥国住人泰衡等、梟心性を稟け
辺境に雄張す。或は賊徒を容隠して猥に野心を同じうし、或は詔使に対捍して朝威を忘る....