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「辺鄙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辺鄙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だのぶ》や葛《くず》の葉《は》にも化けるだろう。どうも人騒がせでいけねえ。それも辺鄙《へんぴ》な田舎なら、狐が化けようが狸が腹鼓《はらつづみ》を打とうがいっさい....
地球を狙う者」より 著者:海野十三
て、いろいろ興味ある観測をせんけりゃならん。そうでもなきゃ、花陵島なんて、あんな辺鄙なところへ金と時間とをかけて行きゃせぬわい」 「ああ、先生ご一行はやっぱり、....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、当家の料理人にございますが、至って不束でございまして。……それに、かような山家辺鄙で、一向お口に合いますものもございませんで。」 「とんでもないこと。」 「つ....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
畑違いだが、仕事の上でおなじように海という共通点を持っているし、人里はなれたこの辺鄙な地方で、小さな入り海をへだてて仲よく暮している関係から――などというよりも....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
三里あまり引っ込んだところだというから、今日ではともかくも、そのころでは、かなり辺鄙な土地であったに相違ない。そこに由井吉左衛門という豪家があった。なんでも先祖....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
▲或る人が来て、世間の人は電車が出来て便利になったというが、我々は電車のお庇で辺鄙が賑かになって家賃が騰るので、延長する度毎に段々遠くへ転さなくてはならないか....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
ようという、寝台の上。ますます妙なのは蚤の憂更になし。 地方と言っても、さまで辺鄙な処ではないから、望めばある、寝台の真上の天井には、瓦斯が窓越の森に映って、....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
た。 彼の下宿は、中央線の中野駅を降りてから十五分も歩かなければ到達しないほど辺鄙なところに在る。その道を歩きながら、夜の人通りに物珍らしさを感じたのであった....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
「はい、三年のうちに両親と妹がつづいて世を去ったのでござります。なにしろこんな辺鄙なところですから、鎌倉への交通などは容易に出来るものではなく、父からは何の便....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
おしまない。それは、大ニューヨーク州の奥深く、あちらこちらにあるオランダ人の住む辺鄙な渓谷のなかにあり、ここでは人口も風俗習慣もかわらないのだ。休むことを知らな....
晩春」より 著者:岡本かの子
に比較的智識階級の男と次ぎ次ぎに縁組みして行く知らせを受けて、鈴子は下町の而も、辺鄙な深川の材木堀の間に浮島のように存在する自分の家を呪った。彼女は、自分の内気....
山の湯の旅」より 著者:上村松園
知れ渡ってはいないようです。それというのも、一つは土地が草深く里離れがしていて、辺鄙なために少々淋しすぎるのと、もう一つは交通の便もあまりよくはないことと、それ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ジウムばやりだった頃、憑ものがしたように賑ったのだそうですが、汽車に遠い山入りの辺鄙で、特に和倉の有名なのがある国です。近ごろでは、まあ精々在方の人たちの遊び場....
式部小路」より 著者:泉鏡花
れはそれは勿体ないほど、ざくざくお宝をお運びで、嬢さんがまたばらばら撒く。土地が辺鄙で食物こそだが、おめしものや何か、縮緬がお不断着で、秋のはじめに新しいコオト....
年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
るものはなかった。恭賀新年の郵便を送る先は、主に地方の親戚知人で、府下でもよほど辺鄙な不便な所に住んでいない限りは、郵便で回礼の義理を済ませるということはなかっ....