辻占[語句情報] »
辻占
「辻占〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辻占の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
出の不吉を告げる何かの業《わざ》かもしれない。木村との行く末の破滅を知らせる悪い
辻占《つじうら》かもしれない。またそう思うと葉子は襟元《えりもと》に凍った針でも....
「世相」より 著者:織田作之助
ど惚れているのだったら身受けして世帯を持てと、金を出してやったこともあるという。
辻占売りの出入りは許さなかったが、ポン引が出入り出来るのはこの店だけだった。その....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
彼は又こんなことを話した。 「こりゃあ別の話ですがね。やっぱり金杉の方から吉原へ
辻占《つじうら》を毎晩売りに来る娘があるんです。十六七で、容貌《きりょう》がいい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ならないというので、詮議に詮議を尽していましたが、そのなかに葺屋町の七兵衛、後に
辻占の七兵衛といわれた岡っ引がいました。もうその頃五十八だとかいうんですが、から....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
しているところへ、丁度流して来てピタリと目の前に停った円のタクというのが、まるで
辻占いのようにわが家の方角へ向いていた。それでは「家へ帰ろうか」というので、僕は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
場の両側には六、七軒の芝居茶屋がならんでいる。そのあいだには芝居みやげの菓子や、
辻占せんべいや、花かんざしなどを売る店もまじっている。向う側にも七、八軒の茶屋が....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
人相を。……」 「見たくもねえ人相だの。まず女難は云うまでもなしか」 「うわア、
辻占が悪いのう。ところでどこまで話したっけ?」 「ええ物覚えの悪い野郎だ。邪魔が....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
。」 「あ、当りました、旦那。」 と言ったが、軽く膝で手を拍って、 「ほんに、
辻占がよくって、猟のお客様はお喜びでございましょう。」 「お喜びかね。ふう成程―....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
と女の音で、扉で呼ぶ。 「婆さんや、人が来た。」「うう、お爺さん」内職の、楊枝を
辻占で巻いていた古女房が、怯えた顔で――「話に聞いた魔ものではないかのう。」とお....
「おせん」より 著者:邦枝完二
んにも知らずにお供に来て、おせんに遭ったばっかりに、大事な奉公をしくじるなんざ、
辻占の文句にしても悪過ぎやさァね。堪忍してやっとくんなさい。――こう市どん。おめ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
仏、不自惜身命、」と親仁は月下に小船を操る。 諸君が随処、淡路島通う千鳥の恋の
辻占というのを聞かるる時、七兵衛の船は石碑のある処へ懸った。 いかなる人がこう....
「迷信解」より 著者:井上円了
夢の情態につきて吉凶を判ずることがあるが、これらはもとより論ずるに足らぬ。また、
辻占のごときは一種の戯れにひとしきものである。よって、ここにいちいち説明するほど....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
と茶屋とのあいだにある煎餅屋の前を通ると、ちょうど今日の運動場で売っているような
辻占入りの八橋を籠に入れて、俳優の紋所を柿色や赤や青で染め出した紙につつんで、綺....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
場の両側には六、七軒の芝居茶屋がならんでいる。そのあいだには芝居みやげの菓子や、
辻占せんべいや、花かんざしなどを売る店もまじっている。向う側にも七、八軒の茶屋が....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
は正月に赤色の法衣を着、顔を白布で包んで目ばかりを出し、懸想文を売って歩く。今の
辻占売のようなもので、それを買ったものはそれによって縁起を祝った。やはりもとホカ....