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「辻番所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辻番所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わけです。以上六人を連れて浪人はその近所にある水野|和泉守《いずみのかみ》屋敷の辻番所へ出頭しました。 その浪人の申し立てによると、自分は中国なにがし藩の伊沢....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を消したのには彼は困った。町まで出なければ火を借りるところは無い。そこらに屋敷の辻番所はないかと見まわしながら、殆ど手探り同様でとぼとぼ辿《たど》ってゆくと、雨....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れてうろうろしている処へ、幸いに通り合わせた人があったので、共々に介抱して近所の辻番所へ連れて行くと、女房は幸いに正気に復《かえ》ったが、自分にもどうしたのかよ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をどうにか通り越して、南蔵院という寺の前から、森川|伊豆守《いずのかみ》の屋敷の辻番所を横に見て、業平橋を渡ってゆくと、そこらは一面の田畑で、そのあいだに百姓家....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。 併しその盗賊は判らなかった。その被害者もあらわれて来なかった。疑問の帯は辻番所にひとまず保管されることになって、そのまま二日ばかり経つと、ここにまた思い....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
のが」と、りよは只一言云った。 九郎右衛門等三人は河岸にある本多|伊予守頭取の辻番所に届け出た。辻番組合月番|西丸御小納戸鵜殿吉之丞の家来玉木勝三郎組合の辻番....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
悪くないが、乗り心地もまた悪くない。 町から町は凩ゆえにか大方もう寝しずまって辻番所の油障子にうつる灯が、ぼうと不気味に輝いているばかり……。 「その駕籠待た....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
丁め、三丁め、二丁めと本町を常盤橋御門めざしてのぼりました。 その角。 右は辻番所だが、左は炭部屋、矢来廻の竹囲いがあって、中は刺客の忍ぶには屈強な場所です....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
通院の学寮へ帰るんだ、火を貸しておくんなさい」 米友は火の入っていない提灯を、辻番所まで持ち込むと、 「それ」 ちょっと億劫《おっくう》がった辻番が、投げ出....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
間体の若い男が風呂敷づつみを抱えて、下谷御徒町辺を通りかかった。そこには某藩侯の辻番所がある。これも単に某藩侯とのみ記してあるが、下谷御徒町というからは、おそら....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ょう」 庄吉は、こういいながら、じっと、深雪の頬、襟足を眺めて、ついて行った。辻番所の前には、まだ人が集まっていた。傘と、傘とが重なり合って、入口も、屋根も見....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くには赤坂見附の木戸。 赤坂|表町《おもてまち》へは弾正坂《だんじょうざか》の辻番所。 どんなことがあっても、いずれかの桝形《ますがた》か木戸で誰何《すいか....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
もなかったはず。北へ行けば、両国橋か千歳橋。南へ行けば両国二丁目の辻番か中ノ橋の辻番所。この四つの関所で四方から袋のようにかこまれているンだから、三十人もの人間....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
時であった。 伊賀袴をはいて竹胴を着けた武士が、一つ橋に近い若年寄遠藤但馬守の辻番所の傍らまで落ちのびた時、ついに深傷に堪え兼ね、大老の首級を前に置いて腹を切....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の傾斜は広重の好んで描きし地点なり。一つは夕立晴れたる夏の午後と覚《おぼ》しく、辻番所立てる坂の上より下町《したまち》の人家と芝浦《しばうら》の帆影《はんえい》....