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辻馬車
「辻馬車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辻馬車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
飛び出してきた何でもない一頭の、よく肥った子豚に突き倒されて、あたりに居あわせた
辻馬車屋たちの哄笑を買い、その揶揄を咎めて、その連中から二カペイカずつの煙草銭を....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
中がどんなであったかは、自ずから察しがつくであろう。 あいにく、通りには一台の
辻馬車も見当たらなかったので、彼はマントに身をくるみ、さも鼻血にでも困っているよ....
「新生」より 著者:島崎藤村
の高い時計台のある停車場《ステーション》であった。そこで彼は倫敦行の絹商に別れ、
辻馬車《つじばしゃ》を雇って旅の荷物と一緒に乗った。晴雨兼帯とも言いたい馬丁《べ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
だが、ところがどうしてもモッツストラッセへ出られないのだ。私はくたびれてしまって
辻馬車を呼んだ。そしてモッツストラッセ55と命じた。馭者はヤアヤアと合点して動き....
「小公女」より 著者:菊池寛
かと思われるようでした。その中を、風変りなどこか変った様子の少女が、父親と一緒に
辻馬車に乗って、さして急ぐともなく、揺られて行きました。父の腕に抱かれた少女は、....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
し君が国王の枕頭に招かれたとしてもです。そして、君の馬車がいま戸口にいなければ、
辻馬車を雇って下さい。そして、参考のためにこの手紙をもって、まっすぐに私の家へ馬....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
時代を、この晩ほどなさけなくおもったことはありませんでした。「まあこのぶんでは、
辻馬車をやとうのがいちばんよさそうだ。」と、参事官はおもいました。そういったとこ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
たしたちは書記について外へ出た。 ドリスコル家 往来へ出ると、書記は
辻馬車を呼んで、わたしたちに中へとびこめと言いつけた。きみょうな形の馬車で、上か....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
、波間に揺れていて、その上でさも睡たそうに小さな灯が一つ明滅していた。 二人は
辻馬車をひろって、*オレアンダへ出掛けた。 「いま僕は階下の控室で、君の苗字がわ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
近づいてくる四輪馬車が眼にとまった。それがすぐそばに近づいたので、見るとスイスの
辻馬車で、ちょうど私の立っているところに停ったが、扉が開くと、アンリ・クレルヴァ....
「決闘」より 著者:神西清
ここは学生時代の古巣コヴェンスキイ横町だ。懐しい灰色の空、そぼ降る雨、濡れている
辻馬車の馭者。…… 「イ※ン・アンドレーイチ」と誰か隣室で呼ぶ、「おられますか?....
「科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
探偵小説を読んだおかげでどこへ行っても面白い。それこそスチーブンソンではないが、
辻馬車を見ても一種のロマンスを見出だすようなこともある。倫敦塔や、セント・ポール....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
しまった。けだものになって、気がくるっているのです」 博士はアダイ署長がよんだ
辻馬車に乗って、署長といっしょにバードックの警察署にいそいだ。 ケンプ博士の家....
「カシタンカ」より 著者:神西清
も、明かりがさし始めた。大きな綿雪がふってきて、石をしきつめた道路や、馬の背や、
辻馬車の馭者の帽子を白くそめた。そして空気が暗くなればなるほど、いろいろなものが....
「かもめ」より 著者:神西清
いいさ。書斎に引っこんでる。取次ぎなしには誰も通しはせん。用事は電話……往来にゃ
辻馬車が通る、とまあいった次第でな…… ドールン (口ずさむ)「ことづてよ、おお....