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迂回
「迂回〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迂回の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
がりの道を巡り、再び駐在所に帰るまで、歩数約三万八千九百六十二と。情のために道を
迂回《うかい》し、あるいは疾走し、緩歩し、立停《りゅうてい》するは、職務に尽くす....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
をもって攻囲した上、更に七軍団(十四師団)の強大な兵団をもってパリ西南方から遠く
迂回し、敵主力の背後を攻撃するという真に雄大なものでありました(二五頁の図参照)....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
あとを引いていた。どうして彼が池を渉り越えたのやら分らなかった。 一郎は池を大
迂回しなければならなかった。しかし一郎の予想は当って、怪人はドンドン西の方に逃げ....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
怪しげな灯質をうっかり誤認して、うれしや犬吠崎が見えだしたとばかり、右舷に大きく
迂回しようものなら、忽ち暗礁に乗り上げて、大渦の中へ巻き込まれてしまうというのだ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
怒涛のように暴れ狂う焔のなかに西洋館の高い建物がはっきりと浮き出して白くみえた。
迂回してゆけば格別、さし渡しにすれば私の家から一町あまりに過ぎない。風上であるの....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、それから又もや苦しい行進をつづけた。 牛丸少年の考えでは、思い切って西の方へ
迂回し、タヌキ山から山姫山の方へでて、それを越えて千本松峠へでるのがいいと思った....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
こんだという訳なんでしょう」 「そうだ、それに違いない。するとわが輩《はい》も大
迂回《だいうかい》をやっていたわけだ。ちえッ、いまいましい」 天罰《てんば....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
を爪立て、操人形が動くが如き奇異なる身振をしたりとせよ、何思いけむ踵を返し、更に
迂回して柴折戸のある方に行き、言葉より先に笑懸けて、「暖き飯一|膳与えたまえ、」....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ば、船長の足跡ぐらいはすぐに見つけられたであろう。 船員らは纜を解いて、氷山を
迂回して南方にむかって船を進めようと、しきりにあせっている。氷も夜のあいだはひら....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
怒濤のように暴れ狂う焔のなかに西洋館の高い建物がはっきりと浮き出して白くみえた。
迂回してゆけば格別、さし渡しにすれば私の家から一|町あまりに過ぎない。風上である....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
統が色々に変更して、以前ならば一直線にゆかれたところも、今では飛んでもない方角を
迂回して行かなければならない。十分か二十分でゆかれたところも三十分五十分を要する....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
かったが、左に右く出発に先だって露国と交渉する名士を歴訪し、更にその途上わざわざ
迂回して後藤や小村やマレウイチと会見した事実から推しても二葉亭の抱負や目的をほぼ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
と、幸いに十数間の下で樹の根に遮れて止まっている。崖は傾斜が急で下りられない。大
迂回をして漸く拾い上げたが、一時は吾事終れりと悲観したのであった。 川に近く下....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
あり。一帯の山勢は屹然として屏風のごとし。巌頭に古戦場の由来を刻せるを見る。帰路
迂回して博物館に至り、館内を一覧す。本島および南洋諸島の土人の、衣食住および風俗....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
第一次欧州大戦当時は陣地正面の突破がほとんど不可能となり、しかも兵力の増加が
迂回をも不可能にした結果持久戦争に陥ったのであった。戦国時代の築城は当時これを力....