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迂曲
「迂曲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迂曲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
幅が広くなりずーッと見通せますが、以前は見通しの附かんように通路《とおりみち》が
迂曲《うねっ》て居りましたもので、スワと云うと木戸を打ち路次を締める、少しやかま....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
微光閃※ びくわうせんよく
載升載降 すなはちのぼりすなはちくだる 階廊
迂曲 かいらううきよく
神秘攸在 しんひのあるところ 黙披図※ もくし....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
に、排水の落口というのは僅かに三か所、それが又、皆落口が小さくて、溝は七まがりと
迂曲している。水の落ちるのは、干潮の間僅かの時間であるから、雨の強い時には、降っ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
しながら、山の手の高台に阻まれ、北上し東行し、まるで反対の方へ押し遣られるような
迂曲の道を辿りながら、しかもその間に頼りない細流を引取り育み、強力な流れはそれを....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
と、それはアルコホルの一分子のように、不規則にあちらこちらと人から人を伝わって、
迂曲した径路を取りながらも、ともかくも、統計的には、その出発点から次第に遠く離れ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
会はその二重底を清め下水道の化粧をした。とにかくそれだけ清潔になったわけである。
迂曲《うきょく》し、亀裂し、石畳はなくなり、裂け目ができ、穴があき、錯雑した曲が....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
らないから頻りに宇宙を見たのサ、道は曲ッてついている、真直にすれば近いものを態と
迂曲て人のあるく所が妙じゃないか。そこで僕はなぜねじれているのだろうとおもッたが....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
四 季節はあまりに早く推移するように思えてならなかった。いつか、村の前面を
迂曲する谷川の氷が割れて冬中だまりとおしたせせらぎが、日一日とつぶやきを高め、つ....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
な方法が、何の障碍《こだわり》も無く行われるので詐欺、放火、毒殺などの女性的な、
迂曲《まわりくど》い方法は流行《はや》らぬ、此世界では良心や温情は罪悪である、正....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
道路が東南に向って走っているのを見たが、乗合自動車はその方へは曲らず、堤を下りて
迂曲する狭い道を取った。狭い道は薄暗く、平家建《ひらやだて》の小家が立並ぶ間を絶....
「夏の町」より 著者:永井荷風
て汚れた倉の屋根の上に高く広がっていた。横町は真直《まっすぐ》なようでも不規則に
迂曲《うね》っていて、片側に続いた倉庫の戸口からは何れも裏手の桟橋《さんばし》か....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
馥郁《ふくいく》とした昔を思わしめる。 私は四谷見附《よつやみつけ》を出てから
迂曲《うきょく》した外濠の堤《つつみ》の、丁度その曲角《まがりかど》になっている....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
《はりがみ》が目についた。しかし間もなくこの陰鬱《いんうつ》な往来《おうらい》は
迂曲《うね》りながらに少しく爪先上《つまさきあが》りになって行くかと思うと、片側....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
、又は向島劇場という活動小屋のあたりから勝手に横道に入り、陋巷《ろうこう》の間を
迂曲《うきょく》する小道を辿《たど》り辿って、結局白髯明神の裏手へ出るのである。....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
の葉張りかな 子規 という句はその光景を写生したものであります。その菜畑の間の
迂曲した道を歩いていますと、茶の花が咲いている広い庭をもった百姓家が何軒かありま....