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迄
「迄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るのに過ぎない。なぜ円いかと問いつめて見れば、上愚は総理大臣から下愚は腰弁に至る
迄、説明の出来ないことは事実である。
次ぎにもう一つ例を挙げれば、今人は誰も古....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、先刻、紙入れを辷らかした男だから、金子はどうなったろうと思って、捕まったらそれ
迄だ、と悪度胸で当って見ると、道理で袖が重い、と云って、はじめて、気が着いて、袂....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
潜め、モネーの画に見る様な、強烈な単色ばかりが、海と空と船と人とを、めまぐるしい
迄にあざやかに染めて、其の総てを真夏の光が、押し包む様に射して居る。丁度昼弁当時....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
とに、思わず声を掛けて、手のものを落す心地で。 「執念深いもんですね。」 「あれ
迄にしたんだ、揚げてやりたい。が、もう弱ったかな。」 と言う間もなかった。 ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
聳える。そこから斜に濃い藍の一線を曳いて、青い空と一刷に同じ色を連ねたのは、いう
迄もなく田野と市街と城下を巻いた海である。荒海ながら、日和の穏かさに、渚の浪は白....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、 「どんな処ですか。」 「蛍の名所なのね。」とお雪は引取る。 「ええ、その入口
迄は女子供も参りまする、夏の遊山場でな、お前様。お茶屋も懸っておりまするで、素麺....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ヂョンス卿が証言した。(昨年十二月十八日の所掲) カムミンスの他の自動書記は是
迄四五種ある。其文体は各々相違して居る。又彼の自著小説があるが、是は全く右数種の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の中元来あまり健康でなかった彼の体力は、数回のインフルエンザの為めに、回復し難き
迄に衰弱し、かくて一八九二年、(明治二十五年)九月五日を以て帰幽した。 右の如....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
を写せるものなり。但し記憶にある所以は不幸にも画の妙にあらず。躑躅だと説明される
迄は牛だとばかり思っていた故なり。 恒藤は又論客なりき。――その前にもう一つ書....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
三四日して「さてこれよりよき学校を聞き合せ申すべし、あなたにも心掛けたまえ、それ
迄は狭くとも堪てここに居りたまえ」と頼もしく言われたり。この家は裏家なれど清く住....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
恵みを疎にして、下劣界に迷入せる彼等は、品性ある趣味に対すれば、却て苦痛を感ずる
迄に堕落し、今に於て悔ゆるも如何とも致し難き感あるに相違ない、さりとて娯楽なしに....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
僕は随分な迷信家だ。いずれそれには親ゆずりといったようなことがあるのは云う
迄もない。父が熱心な信心家であったこともその一つの原因であろう。僕の幼時には物見....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
助は腰をかけたまま、両手で椅子を圧えて卓子に胸を附着けて、 「大向うが喝采でない
迄も謹んで演劇をする分にゃあ仕損ないが少ないさ、酔っぱらって出懸けてみなさい、他....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を変えて恐怖がる事もありますめえ。病気で苦しんでる処を介抱してやったといえばそれ
迄のことだ。「でもお前が病院へ行った時には、あの本間の青二才が、まだ呼吸があった....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
れからは、殴る、打つ、蹴るで、瀕死の状態に陥ってしまったが遂に謝り状は書かずに朝
迄頑張ってコブだらけの顔でビッコを引き乍らやっとのことで友人の家に辿り着いた。さ....