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近しい
「近しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
った。葉子は今さらのように自分のまわりを見回して見た。いつのまにか葉子はいちばん
近しいはずの人たちからもかけ離れて、たった一人《ひとり》で崕《がけ》のきわに立っ....
「富士」より 著者:岡本かの子
前で福慈岳と女神のことを褒めると、ふた親は女神は自分たちの姉であることを明して、
近しい眷属であることを誇った。 水無瀬女は、ときどき山の峯の鞍部のところへ上っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ養子に貰われて行ったのだ。ほかに親類縁者も相当にあるが、堀田と須藤、この二軒が
近しい親類になっているので、それから町方へ内密の探索を頼んで来ている。深川浄心寺....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
話が進んで来て、いっそ阿母も一緒に行ったらどうだということになりました。江戸には
近しい親戚も無し、自分もだんだんに年をとって来るもんですから、お亀も娘のそばに行....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るようになって、しまいには冗談のようにこんな事を言い出した。 「聞けばお前さんは
近しい親類もないということだが、いっそ私の家のお嫁さんになっておくれでないかね」....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
もなかった。 遠い血縁のはしッくれでも、海を一つ渡って、内地を離れると、非常に
近しい親か兄弟のように感じられる。 彼は、居留民保護の名で、盲腸炎の小母を見舞....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ない」 「ははあ、ご養子でございますかな？」 「うん、そうだ、ご近親からな。一番
近しいご親戚からな」 「これは、ごもっともでございますな」 「ところがどなたが内....
「死者の書」より 著者:折口信夫
。あんな若い年で、わせだったのだのう。お身は――。お身の氏では、古麻呂。身の家に
近しい者でも奈良麻呂。あれらは漢魏はおろか、今の唐の小説なども、ふり向きもせんか....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
を一目みた瞬間ぎゅっと心臓がしめつけられて、現在自分にとって世界じゅうにこれほど
近しい、これほど貴い、これほど大切な人はないのだということを、はっきり覚ったのだ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
中に鼓動している一つ一つの心臓が、それの思い描いている事柄によっては、それに最も
近しい心臓にとっても一の秘密である！ ということは、考えると厳かな事柄である。死....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、默って率先躬行するし、村全体でやらなければならないことだったら、めいめい自分の
近しい人から、茶飲み話の間に角立てないで説き伏せて行く。そんなふうで、いつの間に....
「接吻」より 著者:神西清
れぬ夜など、子供の頃のこと、父のこと、母のことをはじめ、押しなべてわが身に親しく
近しい物ごとを偲びたい気持がわくような時には、彼はきまってあのメステーチキ村や、....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
張りに書いて来た。その点でも私は血縁を感じている。してみれば、文壇でもっとも私に
近しい人といえば、武田さんを措いて外にない。いわば私の兄貴分の作家である。そして....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
校が一緒とかで、顔は前から知ってるんだって」 「そうですか。私ゃまたお上さんがお
近しいから、そんな縁引きで今度親方のとこへも来なすったんだと思いまして……いえね....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
ジの美術家についての話の一つである。これは多情多感で大胆な若者で、彼女の心に頗る
近しい人物だった。 ※ アルカージイが「髪を結ったり顔を作ったり」....