近付き[語句情報] » 近付き

「近付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

近付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろう。正直に何もかも云ってしまえ。てめえは信濃屋に泊まっている甚右衛門とどうして近付きになった」と、半七はすぐに吟味にかかった。 「別に近付きというわけじゃあり....
蠅男」より 著者:海野十三
かぬ顔をして、 「――勿論逃げちゃったよ。なにしろこっちの連中は今まで機関銃にお近付きがなかったものだからネ。あれを喰らって、志田(死んだ警官)は即死し、勇敢を....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
いことを云い出しますし、私一人の手に負えない子でして、奥さまのようなお偉い方とお近付きになりましたのを幸い、あれに意見して頂き、また今後の教育の方法に就いてもお....
河明り」より 著者:岡本かの子
にはお妨げにならないよう、表の事務室は人に貸すことは止めて仕舞い、また、是非、お近付き願えるよう、気を配って居りました。どうぞ、これから、これを妹とも思召し下す....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を呼んでゴロゴロ様とか、かみなり様とか云っていたが、わたしが初めてかみなり様とお近付き(?)になったのは、六歳の七月、日は記憶しないが、途方もなく暑い日であった....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
ったところ、加藤喜介曰く『姉川合戦の時、朝倉が兵二騎味方の真似して、家康公の傍へ近付き抜きうちに斬らんとした。喜介常に刀に手をかけ居る故、直ちに二騎の一人を斬り....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
て這い寄った。そうして袍の袖を引いた。が、城主は動かなかった。図に乗った猿は一層近付き、鉤のような指を引っ張った。やはり城主は動かなかった。一斉に猿達は喝采した....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
サ、エッサ、エッサ、エッサ」それはこう云う声であった。 そうしてこの声が次第に近付き、隅田のご前の屋敷の前で、にわかにプッツリと切れてしまい、つづいて幽かでは....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
頻々と訪れてくる。氏素姓も知れず国籍もわからぬが、姿顔といい気高さに充ち、どこか近付き難いところのある四十|恰好の婦人だと――一度|顔隠しをのぞいた部屋付女中が....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
届かぬ位であろうが色白の細面に背の高いすらりとした瘠形で、刻明な鼻筋には、何処か近付き難い険があるけれども、寮に来てからと云うものは、銀杏返しを結い出して、それ....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
した。家庭生活は破壊された。だが一緒には住んでいた。彼女はますます美しくなった。近付きがたいまでに美しくなった。そうして素晴らしく高貴になった。 「貴女様は一体....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ぬと思い、ソロソロと紙帳の裾を巡り、引き返し、真っ先に自分が曲がった紙帳の角まで近付き、釣り手を切って落としたのであった。 「出ろ! 左門!」 と頼母は叫んだ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
で、その方角へ人を掻き分け、この時無二無三に走っていた。 「秋山先生!」とやっと近付き、地へひざまずくと足を抱いた。 10 「源女殿か――ッ!」と秋山要介、これ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
て見るその美しい姿に恍惚としてしまう。 文麻呂 (静かに、背後からなよたけの方に近付き、優しく慰めるような声で)……なよたけ。……もうお泣きになることはありませ....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
人というばかりでなく東洋に非常に興味を持つというので、その招待は東洋の婦人の私に近付きを求める為めでもあった。 新噴水は大広間の床を大きく楕円形に掘り窪めて、....