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近在
「近在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近在の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
《しんない》を愛するように諸宗の読経をも愛している。が、東京|乃至《ないし》東京
近在の寺は不幸にも読経の上にさえたいていは堕落《だらく》を示しているらしい。昔は....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
作だけにも明らかだった。が、それも無理はなかった。彼女はこの五六年以来、東京の或
近在に玄鶴が公然と囲って置いた女中上りのお芳だった。
お鈴はお芳の顔を見た時、....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
ちょいとつけばニャンと鳴かせる、山寺の和尚さんも、鼠には困った。あと、二度までも
近在の寺に頼んだが、そのいずれからも返して来ます。おなじく鼠が掛るので。……とこ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、邪魔になっては、という遠慮か、四五人こっちを覗いては、素通をしたのがあります。
近在の人と見える。風呂敷包を腰につけて、草履|穿きで裾をからげた、杖を突張った、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
からよみがえった彼を見せて、もう一度それらの人々とその喜びを倶にした。近所の町や
近在からも見識らぬ人たちがたずねて来て、この奇蹟を礼讃して行った。ラザルスの姉妹....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
年前から開けました。一体、この泊のある財産家の持地でござりますので、仮の小屋掛で
近在の者へ施し半分に遣っておりました処、さあ、盲目が開く、躄が立つ、子供が産れる....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
幾日置きましても干からびず、味は変りませんのが評判で、売れますこと売れますこと。
近在は申すまでもなく、府中八王子|辺までもお土産折詰になりますわ。三鷹村深大寺、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さんが説ききかせてくださいました。『地元の里はいうまでもなく、三|里五|里の近郷
近在からも大へんな人出で、あの狭い海岸が身動きのできぬ有様じゃ。往来には掛茶屋や....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
「変な名だな。それがみな、暗闇祭へ来たのか」 「揃って来たこともありましたが、
近在の百姓衆の財袋を抜いたところで高が知れております。しかし、まあ、悪戯をするの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ー・ホロー(まどろみの窪)という名で知られていた。そして、そこの百姓息子は、この
近在のどこへ行ってもスリーピー・ホローの若衆と呼ばれていた。眠気をさそう夢のよう....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
れがどうです。そら、そういった工合で、東京中は喰い詰める――し、勿論何でさ、この
近在、大宮、宇都宮、栃木、埼玉、草加から熊ヶ谷、成田、銚子。東じゃ、品川から川崎....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
から、淡島屋の軽焼は江戸一だという評判が益々高くなって、大名高家の奥向きから近郷
近在のものまで語り伝えてわざわざ馬喰町まで買いに来た。淡島屋のでなければ軽焼は風....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
微でも風邪にはかからぬと宿の人は保証する、風邪のときも湯に入ると治りますという、
近在から来ている二、三の湯治客は、幾度も幾度も湯に入り、いつまでもいつまでも湯の....
「西航日録」より 著者:井上円了
日より英国地方の実況を視察せんために、ロンドンをさること北方二百マイル、リーズ市
近在バルレー村に転寓す。 二月十二日、英国北部バルレー村に転住せし以来、もっぱ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
郷船長および東洋汽船会社出張員小林氏とともに上陸、小林氏の案内にて市場を一覧す。
近在の土人ここに来たりて衣食日用品を調達する所にして、わが日本における田舎の祭日....