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近接
「近接〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近接の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
渡したり。 医学士は取るとそのまま、靴音《くつおと》軽く歩を移してつと手術台に
近接せり。 看護婦はおどおどしながら、 「先生、このままでいいんですか」 「あ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
た。その語をフランスが輸入して、次第に趣味についての 〔e'le'gant〕 に
近接する意味に変えて用いるようになった。今度はこの新しい意味をもった chic ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
うど胴体の中央辺に、大きな斑《まだら》が一つあり、頸筋にも胴体との境に小さな斑が
近接していて、ちょうど縞のように見えるものが一つあった。けれども、その二つだけは....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
たんじゃないかしら」 二人の心配は果たして杞憂《きゆう》であったろうか。 現場
近接 海底へ下りたワーナー博士一行十名は人員点検をして異状のないことを確かめた....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
のあらゆる民族の間に正しき協和を樹立するため、その基礎的團結として、まづ地域的に
近接し且つ比較的共通せる文化内容をもつ東亞諸民族相携えて民族平等なる平和世界を建....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に、さてはと思う間もなく、東部軍管区情報が出て「敵小型機約五十機、南方より本土へ
近接中」と伝えた。いよいよ敵機動部隊来ると、はね起きて万端を指図す。敵機はすぐに....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
をつけ、一番最後に巨体を揺って現われたが、先刻礼拝堂で遠望した時とは異なり、こう
近接して眺めたところの感じは、むしろ懊悩的で、一見心のどこかに抑止されているもの....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
嗜みなしとするも、茶の湯の如きは深くも浅くも楽むことが出来るのである、最も生活と
近接して居って最も家族的であって、然も清閑高雅、所有方面の精神的修養に資せられる....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
月は朦朧たる影を以て、宛然魔神のごとき顔して、今にも地球に衝突を試むべく、刻々相
近接して来る、その勢の猛烈なる、その表面の猛烈なる、とても再びとは見られぬ図だ。....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
来そうもない。 夷※の館山(素藤の居城)というは今も同じ地名の布施村や国府台に
近接する立山であろう。稲村まではかなりの里程があって、『八犬伝』でも一泊二日路で....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
非行者に対してこういう寛容な襟度を示したものは滅多にない。 沼南にはその後段々
近接し、沼南門下のものからも度々噂を聞いて、Yに対する沼南の情誼に感奮した最初の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
文三が作者自身の性格の一部を極端に誇張して作為したのが争われないと同様に、作者に
近接する人物の性格の一部をモデルとしたに違いなかろうが、二葉亭はお政や昇について....
「活人形」より 著者:泉鏡花
泰助に尾し来りて、十分油断したるを計り、狙撃したりしなり。僥倖に鏡を見る時、後に
近接曲者映りて、さてはと用心したればこそ身を全うし得たるなれ。 「しまった。と叫....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は兵站総監になったばかりでなく、スペイン遠征軍の司令権を与えられた。スペインが、
近接したその二つの大軍港、コルンナとフェロオルとで、一大海軍軍備に没頭してること....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ェーデン、索(ザクセン)、巴等の諸邦をその傘下に糾合し得たるに対し、大王は英国と
近接した。 また大王は墺国のシュレージエン回復計画の進みつつあるを知り、一七五....