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「近東〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

近東の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
近東京を騒がした有名な強盗が捕《つか》まって語ったところによると、彼は何も見えな....
比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
んだんに手近い隣接国民の語彙を瞥見する事になり、それが次第次第に西漸していわゆる近東から東欧方面までも、きわめて皮相的ながらのぞいて見るような行きがかりになって....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
の種子を植え付けたものであったらしい。テヘラン、イスパハンといったようないわゆる近東の天地がその時分から自分の好奇心をそそった、その惰性が今日まで消えないで残っ....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
く落ちこみ、鼻は高くて山の背のように見え、その下にすぐ唇があって、やせひからびた近東人《きんとうじん》だ。頭巾《ずきん》の下からは、鳶色《とびいろ》の縮《ちぢ》....
社会時評」より 著者:戸坂潤
賂問題になるわけだが、併し同時に之は決して校長先生だけの賄賂問題ではなくなる。最近東京市会疑獄事件の「醜市議」達に対する論告が行われているが、単にこうした疑獄が....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
服装をしていらっしゃいますわね。|顔隠しをしたり皮鞋をはいたり……やはりあの方は近東の方でしょうね」 「そうらしい」 と、折竹は憮然とうなずいた。彼にいま、そ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
った。 『数は? 何が出て?』 答えるまえに、私はゆっくりとその女を研究した。近東型の広い紺いろの顔が、八月の地中海が誇る銀灰色のさざなみによって風景画的に装....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
い。 眉毛と髪の毛がまっ白な北欧の女。頬骨が東洋風に出張っていてそれで西洋人の近東の男。坊主刈りでチョッキを着ないドイツ人。鼻の尖った中年のイギリス紳士。虎の....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
不取敢大急ぎで両国駅から銚子行の列車に乗り込んだ。 岸田直介――と言うのは、最近東京に於て結成された瑪瑙座と言う新しい劇団の出資者で、大月と同じ大学を卒えた齢....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
う言葉と言葉の意味とを、一再ならず耳にはした。マホメットという人物を宗祖として、近東|亜剌比亜の沙漠の国へ興った、非常に武断的の宗教の、教主であるということであ....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
前に消えたのである。 しかし漁色の動物は、お紅一人ではないのであった。 あの近東の回教国の、密房に則って作ったところの、この奇形な建物の内には、同じような部....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
際的大詐欺師 佐伯準一郎捕縛さる 勿論特号活字であった。 欧米、南洋、支那、近東、こういう方面を舞台とし、十数年間組織的詐欺を、働いていたということや、日本....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。しかるに一方女の方は、東洋人には相違ないが、支那の産まれとは思われない。むしろ近東|土耳古辺の貴婦人のような容貌で、態度はきわめて優美ではあるが、北京の生活に....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
たということ。また小さい美しい巴里女優ラ・カバネルが四人の黒ン坊の子供に担がせた近東風の輿に乗って出るということ。その伊達競べに使われた可憐な役者達が、勤めを果....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
じゅうたんにすりつける。 およそ強奪したものはみな美しいとは英国の貴族の祖先が近東を荒し廻った海賊船時代からの経験である。スワンソン夫人のピジャマはオックスフ....