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近状
「近状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
同時に妬《ねた》ましいような気がしたのは、あれほど冷静な学者肌の三浦が、結婚後は
近状を報告する手紙の中でも、ほとんど別人のような快活さを示すようになった事でした....
「彼」より 著者:芥川竜之介
《はんとし》ばかりは最も彼には幸福だったのであろう。彼は絶えず手紙を書いては彼の
近状を報告してよこした。(その手紙はいつも彼の読んだ社会科学の本の名を列記してい....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
、突然日本人の赤帽が一人、卓子《テーブル》の側へ歩み寄って、馴々《なれなれ》しく
近状を尋ねかけた。勿論マルセイユの往来に、日本人の赤帽なぞが、徘徊《はいかい》し....
「文芸委員は何をするか」より 著者:夏目漱石
余が某氏の言《げん》に疑を挟《さしはさ》むのは、自分に最も密接の関係のある文壇の
近状に徴《ちょう》して、決してそうではあるまいとの自信があるからである。政府は今....
「連環記」より 著者:幸田露伴
のを免れなかったことだったろう。そこで右衛門は遂に夫の匡衡に委曲を語って、定基の
近状の良くないことを云い、其妻のあわれなことを告げ、何とかしてやって欲しいことを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
山崎譲でありました。 四十三 なるほど、山崎ならば、新撰組の
近状を知ることに於て田中以上だろう。奴茶屋に休んでいた山崎は、闇中から不意にしゃ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の方を恋しく思う心に変わってゆくのをみずから認めるようになった大将は熱心に宮の御
近状などを御息所に尋ねていた。御|容貌はそうよくはおありでならないであろうが、醜....
「源氏物語」より 著者:紫式部
思うことであろうと、自身の責任であるように思い、宮にそれとなくお促しもし、宮の御
近状にも注意を怠らなかったが、宮が宇治の女王に愛情を傾倒しておいでになることは明....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
でゆき、その人の住む家の前を通りて見、その家の下女《げじょ》に行逢《ゆきあ》いて
近状を聞き、(万感万嘆この夜|睡《ねむ》ることかたし)と書いたのは、彼女の青春二....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
。しかし自分は近年東京に出ていて、彼と一年に一度会うぐらいのことであるから、その
近状についてはなんにも知らないと、あらかじめ一種の予防線を張っておいた。 「今夜....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
十年十月二十五日『東京朝日新聞』) 二十五 火星の
近状 今年の夏、火星が我が地球に最も接近した位地に来ていた頃、米国のロウエル天....
「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」より 著者:前田河広一郎
も口数のすくない人で、一応フロイドと私との交際のことなど訊ねたのち、日本の文壇の
近状など――と云って、私には雑誌で知っただけのものだが、それを書けるかときいた。....
「作家としての小酒井博士」より 著者:平林初之輔
いであった。私はここ一年あまり、博士とはほとんど文通もしていなかったので、博士の
近状について何ら知るところがなく、おまけに最近、しばらく筆を絶っておられた探偵小....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ています。衰えた漁村の行燈に三味線の音などこおりつくようにさむざむと聞こえます。
近状知らせて下さい。 (久保謙氏宛 一月二十三日。鞆より) 「恋を失うたも....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
平素の欲望を達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の
近状を問う。主人答て曰く、團十郎は新富劇に出場せるが、該劇は近日炎帝特に威を恣に....