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近視眼
「近視眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近視眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「律子と貞子」より 著者:太宰治
大学生、三浦憲治君は、ことしの十二月に大学を卒業し、卒業と同時に故郷へ帰り、徴兵検査を受けた。極度の
近視眼のため、丙種《へいしゅ》でした、恥ずかしい気がします、と私の家へ遊びに来て....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
をつけてるのは情《なさけ》ない」 「とかく眼鏡が祟《たた》るようだ。――宗近君は
近視眼じゃないんですか」 「勉強しないから、なりたくてもなれない」 「遠視眼でも....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
の日本に満足して己らが一般の国民を堕落の淵《ふち》に誘いつつあるかを知らざるほど
近視眼であるかなどというようないろいろな不平が持ち上ってくる。せんだって日本の上....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
「むむそう。」 と考えるようにして、雑所はまた頷く。 「手前、御存じの少々|
近視眼で。それへこう、霞が掛りました工合に、薄い綺麗な紙に包んで持っているのを、....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
つけた。ガタリという物音がして、西湖の空のあたりが、二つに裂けて倒れた。これは、
近視眼の漢青年を利用したパノラマでしかなかったことが暴露されたのだった。 外に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だ、非常の手段のみを常道の眼からみて、そうしてその非常手段に反感を加えたがるのは
近視眼者流の常だが、お角さんもまたその点に於て御多分に洩《も》れず、心に深く新撰....
「田舎者」より 著者:豊島与志雄
いた。その向うにいろんな瓶の並んでる棚の前に、コップを拭いてる背の高い女がいて、
近視眼みたいな眼付でこちらをすかし見ながら、機械的に微笑してみせた。見覚えがある....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
一つの思想もはっきりとらえることができなかった。注意のこもらないぼんやりした彼の
近視眼は、おもむろに食卓を見回して、人々の上にじっとすわりながらも、別に見ている....
「新妻の手記」より 著者:豊島与志雄
、吉川は陰で私に、ばかなことを言った。男というものは、女の心理についてはまったく
近視眼であるらしい。 「淋しいでしょうけれど、辛棒して下さいよ。どんなに長くなっ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
一人は夫の直介であると見、又も一人は水色の服を着た小柄な男と言明している通りに、
近視眼じゃあないんだよ。そして而も、思い出し給え。夫人は、岸田直介との結婚前に、....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
りの強度の差がある。この差は時には著しく大である。跛者にとっての第一対の松葉杖、
近視眼者にとっての第一対の眼鏡、職業音楽家に対する第一のヴァイオリンはいわば欠く....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ことを得なかったというのです。なんというよく似た話でしょうか。けれども森の家には
近視眼の遺伝はないのです。 ずっと後のことですが、次兄の篤次郎は筆名を三木竹二....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
た。 景子は切上げ時だと思って催促の眼ざしを宮坂の横顔に向けた。宮坂は度の強い
近視眼鏡の奥で睫毛の疎い眼を学徒らしく瞑目していた。それが景子には老文豪の話を頭....
「秘密の相似」より 著者:小酒井不木
判官の前へ出た罪人の心もこれ程ではあるまいと私は思いました。尤も、あなたは強度の
近視眼で、眼鏡をおかけになって居ても、普通の人ほどには御見えにならぬとの事で御座....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
交際した。然るに永見は首尾よく陸軍の試験に合格したが、二葉亭はその頃からの強度の
近視眼のため不合格となった。(永見はその後参謀部の有数な秀才と歌われていたが、惜....