近道[語句情報] »
近道
「近道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
その時お敏が神憑《かみがか》りの真似《まね》をして、あの婆に一杯食わせるのが一番
近道だと云う事でした。そこで前にも云った通り、家相を見て貰うのにかこつけて、お島....
「星座」より 著者:有島武郎
り降りなしに一生涯家族まで養おうというにはこれが一番|元資《もとで》のかからない
近道なんだ。俺にはそれ以上を考える余裕はないよ。俺と同じ境遇の人間を救ってやるの....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ら押登って、やっと連れて戻《もど》ったくらいでがす。ご坊様も血気に逸《はや》って
近道をしてはなりましねえぞ、草臥《くたび》れて野宿をしてからがここを行かっしゃる....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れほど体裁のいい外貌と、内容の空虚な実質とを併合した心の状態が外にあろうか。この
近道らしい迷路を避けなければならないと知ったのは、長い彷徨を続けた後のことだった....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
お嬢さん。おそくも、あと五分の間に、裏口へ出なければだめだ。知っているでしょう、
近道を選んで、大急ぎで、裏口へ出るのだ。扉が開かなかったら、覗き窓の下を、三つ叩....
「火星兵団」より 著者:海野十三
いと思うのだ。それは、一日も早く、この前代未聞の謎をつきとめることだ。この解決の
近道は、目下行方不明の怪人丸木を逮捕することにあると思う」
大江山課長は、重大....
「怪塔王」より 著者:海野十三
はどんなにか待っていたんですよ。ぜひお伴させてください。それが帆村おじさんを救う
近道のように思うんです」 塩田大尉は、しばらく無言でいましたが、やがてミチ子に....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
また、だが、滝登りもするものが、何じゃとて、笠の台に乗せられた。 鯉七 里へ出る
近道してな、無理な流を抜けたと思え。石に鰭が躓いて、膚捌のならぬ処を、ばッさりと....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
は、東京の方角を教えてもらった。 それは方角を教えてもらうだけで十分であった。
近道大通を教えてもらっても、この際なんの役にも立たなかった。なぜなら、直線的に歩....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ほどの距離でもなかった―― 「直きその、向う手を分け上りますのが、山一ツ秋谷在へ
近道でござりまして、馬車こそ通いませぬけれども、私などは夜さり店を了いますると、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
守膳が老功で宥め賺し、道中土を蹈まさず、動殿のお湯殿子調姫という扱いで、中仙道は
近道だが、船でも陸でも親不知を越さねばならぬからと、大事を取って、大廻に東海道、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、谿河を深く透かすと、――ここは、いまの新石橋が架らない以前に、対岸から山伝いの
近道するのに、樹の根、巌角を絶壁に刻んだ径があって、底へ下りると、激流の巌から巌....
「薬」より 著者:井上紅梅
元に靠る地面はもとからの官有地で、まんなかに一つ歪んだ斜かけの細道がある。これは
近道を貪る人が靴の底で踏み固めたものであるが、自然の区切りとなり、道を境に左は死....
「活人形」より 著者:泉鏡花
明神坂の方へ、急ぎ足に歩み行く後姿はその者なれば、遠く離れて見失わじと、裏長屋の
近道を潜りて、間近く彼奴の後に出でつ。まずこれで可しと汗を容れて心静かに後を跟け....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ることの出来ないものだったかも知れない。 萩寺の先にある電柱(?)は「亀戸天神
近道」というペンキ塗りの道標を示していた。僕等はその横町を曲り、待合やカフェの軒....