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近隣
「近隣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
近隣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
容色《ようしょく》に心を惹《ひ》かれているのかも知れない。妻は名はダアワといい、
近隣でも美人と評されている。背は人並みよりは高いくらいであろう。顔はダアワという....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
の薄弱が情けなくなった。わが生活の虚偽残酷《きょぎざんこく》にあきれてしまった。
近隣親族の徒が、この美しい寝顔の前で埋葬を議することを、痛く不快に感じた。自分も....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
った。民や、堪忍して、私は悪かったから堪忍してくれ。俄《にわか》の騒ぎですから、
近隣の人達が、どうしましたと云って尋ねにきた位でありました。それであなたのお母さ....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ならべて寝る。姉は予がくるたびにいつでもそうであるのだ。田畑のできばえのことから
近隣村内のできごとや、親類のいざこざまで、おもしろかったこと、つまらなかったこと....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ドヤドヤと一と固まりとなって、要領よく嵐のように引揚げていった。後には集ってきた
近隣の人々の怒号する声ばかりが残った。 僕は痛味を怺えて、ようやく起き上った。....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
帝都の空の下には、異常なる光景が出現した。 ラジオの高声器のある戸毎家毎には、
近隣の者や、見も知らぬ通行人までが、飛びこんで来て、警備司令部の放送がこれから如....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
そして片山助役は、翌日から彼の言明通り、あの陰気な十方舎の親娘の身辺に関して、
近隣の住人やその他に依る熱心な聞き込み調査を始めたんです。 一日、二日とする内....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
付いていられようか。やっぱり、椅子と共に半転がりとなって、近いところから始めて、
近隣の間にのこらず侵入しては、頸の痛くなるまで柱時計を探して廻ったことであった。....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
て、金魚、緋鯉など夥多養いぬ。誰が飼いはじめしともなく古くより持ち伝えたるなり。
近隣の人は皆年久しく住みたれど、そこのみはしばしば家主かわりぬ。さればわれその女....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの
近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
ても少しく熟練せば、これに類する声を発するに難からずというにおいてをや。現にその
近隣の児童が、この怪事の出現以来、口笛をふきてこれが擬声をなすに、その巧みなる者....
「迷信解」より 著者:井上円了
衣服を求めてこれに与えしも、いまだ結婚するに至らずして世を去ることになりたれば、
近隣の主婦が、ふと欲心を起こし、その衣服を己の所有とせんことをもくろみ、深夜白衣....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
がなく、どんな犬でも猫でも平等に愛していた。『浮雲』時代の日記に、「常に馴れたる
近隣の飼犬のこの頃は余を見ても尾を振りもせず跟をも追はず、その傍を打通れば鼻つら....
「活人形」より 著者:泉鏡花
り。 人々ものを言いかくれど、答は無くて、ただにこにこと笑うを見て、始め泰助は
近隣の狂女ならんと見て取りつ、問えばさるものは無しという。今もなお懐中せる今朝の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
友の間には必ず贈品呈書するを例とし、下女下男、出入、小作の者には多少の金を与え、
近隣の貧民にも多少の愛を施す等、またわが歳末のごとし。地方の停車場などには当日に....