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「返杯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

返杯の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はずであるむっつり右門が、さされるままにいくらでも飲み干し、飲み干すままに女へも返杯しましたものでしたから、これはどうあっても伝六として見てはいられなくなったの....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
通りの、ケチな奴がおいらなのさ」 「そりゃ話せるねえ――では、改めてお近づきの御返杯だ」 七 島抜け法印、見かけは怖々《こわごわ》しい大坊主であったが、し....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
いよいよこれから吾輩が、林の親仁を使って爆弾漁業退治に取りかかる一幕だ。サア返杯……。 ナニ。林のおやじ……? ウン。あの若い朝鮮人……林の親父だよ。まだ....
青年」より 著者:森鴎外
ば、さっき踊っているのを、瀬戸が別品だと云って褒めた女であった。 純一は先生に返杯をして、支那の芝居の話やら、西瓜の核をお茶受けに出す話やらを跡に聞き流して、....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
吉里は善吉の盃を受け、しばらく考えていたが、やがて快く飲み乾し、「善さん、御返杯ですよ」と、善吉へ猪口を与え、「お酌をさせていただきましょうね」と、箪笥を放....
まぼろし」より 著者:国木田独歩
杯をさした。 『ありがとう、』かれは心中のよろこびを隠し得なかった。自分はかれの返杯を受けないで、さらに一杯を重ねさした。さもうまそうに飲むかれを自分はじっと視....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「頂戴いたします」 と、杯に礼をして唇へ入れた、酢みたいな地酒だった。 「ご返杯を」 「まあ、それは持っていねえ、おれはこっちの杯で飲むから――時に武者修行....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
きぬいて」 「梅雨頃には、昼間も、昼ほととぎすが啼きぬくが……まだ時鳥は」 「ご返杯じゃ。……親分様、きょうは婆もよい供養のおこぼれにあずかりましたわえ」 「そ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「…………」 小次郎は、無言のまま、杯の端を唇へつけて、聞いていたが、 「ご返杯」 そういったのみで、欣しそうな顔もしないのである。 だが角兵衛は、それ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
お待ち申す」 と、工藤は杯を洗って、もひとつと、直義へさし、直義はうけて、その返杯をさいごに起ちかけた。 「だいぶそれがしも酩酊しました。しからばおやすみを」....