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「返歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

返歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と拾いあげる、それから舟を上へこがして、拾った恋歌を目あてに、思いのたけをこめた返歌を流して贈る――一口にいうとただそれだけの遊びですが、これにたずさわる人々が....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
のである。 ところが、ひとり、庄屋の娘で、楓というのが、歌のたしなみがあって、返歌をしたのが切っ掛けで、やがてねんごろめいて、今宵の氏神詣りにも、佐助は楓を連....
春昼」より 著者:泉鏡花
ら坊主でも、無下に振切って邪険にはしそうもない、仮令恋はかなえぬまでも、然るべき返歌はありそうな。帯の結目、袂の端、何処へちょっと障っても、情の露は男の骨を溶解....
連環記」より 著者:幸田露伴
ない。ところが相手の女もまだ若くて、中々赤染右衛門の代作の手はしの利いている歌に返歌は出来なかったが、幸に其の姉分に和泉式部という偉い女歌人があったから、それに....
源氏物語」より 著者:紫式部
た御製は大臣を驚かした。 結びつる心も深き元結ひに濃き紫の色しあせずば と返歌を奏上してから大臣は、清涼殿《せいりょうでん》の正面の階段《きざはし》を下が....
源氏物語」より 著者:紫式部
の口実なんだか』と言うか言わないうちに走って来ますと、あとから人を追いかけさせて返歌をくれました。『逢《あ》ふことの夜をし隔てぬ中ならばひるまも何か眩《まば》ゆ....
源氏物語」より 著者:紫式部
思われて贈った歌に、返事のないのにきまり悪さを感じていたところへ、わざわざ使いに返歌を持たせてよこされたので、またこれに対して何か言わねばならぬなどと皆で言い合....
源氏物語」より 著者:紫式部
て源氏の耳にはいったのであろうと思って、尼君は多少不安な気もするのである。しかし返歌のおそくなることだけは見苦しいと思って、 「枕《まくら》結《ゆ》ふ今宵《こ....
源氏物語」より 著者:紫式部
にと勧めても、まだ昨夜から頭を混乱させている女王は、形式的に言えばいいこんな時の返歌も作れない。夜が更《ふ》けてしまうからと侍従が気をもんで代作した。 晴れぬ....
夢殿」より 著者:楠山正雄
あげて、 「斑鳩や 富の小川の 絶えばこそ 我が大君の 御名を忘れめ。」 と御返歌を申し上げたといいます。 歌の中にある「斑鳩」だの、「富の小川」だのという....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。それに男の子と女の子では保護者が同じようには扱えないであろう。 私も恋の返歌まじりの手紙を書いて、逢った時渡すのであった。大概お宮の裏の林の中で逢った彼....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
の夕 折釘《をれくぎ》に烏帽子《ゑぼし》掛けたり春の宿 ある人に句を乞はれて返歌なき青女房よ春の暮 琴心挑美人 妹《いも》が垣根|三味線草《さみせんぐさ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
く口説き落とそうとした塩冶の妻は、どうしても心を動かそうとはしなかった。小夜衣の返歌は彼に対する最後の一|偈で、しょせん自分の望みは遂げられないものと覚りながら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
歌は 御仏のみちびき給ふ旅なれば ゆきのまに/\道ぞ出てこむ 私の返歌は 御仏のみちびき給ふ旅なれば 重なる憂きもとくる雪山 こうい....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
へ渡すを取上げ読んで見ると「寄る辺なき袖の白波打返し音羽の滝の音も愧かし」という返歌でございまするから、伽羅大尽は尚お惚れまして、 客「何うだ藤六」 藤「何うも....