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返盃
「返盃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
返盃の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
るか、それを岸本君は知らないでいる」
「まあ、一つ頂きましょう」と客は岸本からの
返盃《へんぱい》を催促するように言った。
耳に聞く友人等の笑声、眼に見る華《は....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
なるまでは、真黒になって稼ぐつもりです。」 「とんでもないこって……。」と兄貴は
返盃を両手に受け取って、「こちとらと違えまして、伎倆がおありなさるから……。」 ....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
入から抜出す紙一折。 「はい、確かに」 「一つやりんか」 「有難う存じます――御
返盃、長居は不粋と申しまして手前はこれで」 「長居は不粋か、皮肉やな」 「とんで....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
た。波頭がくだけて浜辺に近い小屋からのぼる炊煙がうす青く目ににじんで来る。
「ご
返盃――」と彼はささげた。
窓からこぼれるランプのあかりが、彼のざんぎり頭に赤....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ならねえのサ」
「時世時節じゃ、屋形船にも、大根を積むとかいうからね――はい、御
返盃!」
法印、茶碗は受けたが、もう、生憎《あいにく》、白丁は空だ。
お初は....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
飲むのは雲隠才蔵だけだ。 サービス嬢は心得たもの。杯を一山つんで待機している。
返盃の代りに新しいのでお酌する。三羽ガラスの前には、のまない杯がズラリとならんで....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かりでなく、それを機会にミネに御飯を配給するのもやめてしまった。 倉三は草雪に
返盃して、 「私どももその時までは夫婦合わせて四十五銭のお給金をいただいておりま....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
う」 「おお飲まれるか、これは面白い。……さあさあ拙者が注ぎの番か」 「はい、ご
返盃」「あい、合点」 「ねえお武家様」と女は云った。「江戸のお方でございましょう....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ばそうとうな道楽者なんだから、すっかりウマが合う。引きぬきになって、 「それ、ご
返盃ッ」 「ちょうだいしますわ」 てなわけで、差しつおさえつやっていたが、その....