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迚も
「迚も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迚もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
苦しく胡馬の嘶きを願えども甲斐なし。夜はなおさら昼のホテリの残りて堪えがたければ
迚も寝られぬ事ならば、今宵は月も明らかなり、夜もすがら涼み歩かんと十時ごろより立....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
クサした中では浮の空で読める新聞ぐらいなら格別、真面目な読書に精神を集中する事は
迚も出来ない。且大抵は釣革に揺下るのだから、まごまごしていれば足を踏まれる、車が....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
(今月からは六百円に減少)とを下ろすのと合計千三百円で生活をしなければならぬが、
迚もそれではやりかねる。客が来れば煙草も出さねばならぬし、茶もわかさねばならず、....
「科学時潮」より 著者:海野十三
であった。それは恐ろしい速力で飛び去った。その速力は光の速力に近いもので人間には
迚も出せそうもないものであった。 でこの解決を物理学界の某博士がつけている。 ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
研究室へ行きたい――」 「あっしだけは、逆に行くんだ。裏通をぬけてゆかなくちゃ、
迚も、進めませんぜ」 「君は、防毒マスクを持ってるかい」 「持ってませんよ、そん....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
けたところがあるのでもなく、どちらかと云えば男として美の要素の欠けた青年だった。
迚も海原力三などとは、恋の競争などは思いもよらぬ劣勢者と思われた。それがあのカフ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
僕に脱走をすすめる。しかし、僕は敵国人の行動を報告すべき重大任務を有するし、又|
迚も脱走が成功するとは思わない。今は少しでも彼女と魂を相倚せて、未来の結縁を祈る....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
ぐずしていられませんぞ。私と一緒に逃げてください」 「君の親切は感謝するが、もう
迚も駄目だよ。上へ出ても下へ降りても殺されるものなら、ここでしずかにわが生涯を閉....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の前に出て来た伴造は、昨夜の様子をこんな風に語りました。 「笛吹川さんのお家は、
迚も淋しいところでがす。あたりは三方、大きな蒲の生えている沼でしてナ、その一方に....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
ん」なのだ。科学知識とはまるで正反対の側に立っているという人間で、科学を呪うこと
迚もはなはだしく、科学的殺人の便宜を指摘する夫子自身はいつか屹度この「便宜」の材....
「蠅男」より 著者:海野十三
事さんも、このごろ大分修業して、テキセツな言葉を使いますね」 「いやこれでもまだ
迚も君には敵わないと思っている。――年齢は不明だ」 「歯から区別がつかなかったん....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ろに寄せて囁いた。 「ちょっと可笑しいことがあるぜ。……桐花カスミの声は実物より
迚も良すぎるじゃないか。さっき聴いて知っているが、これはどうも桐花カスミの声では....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
。竜次郎はつくづく此お鉄の無智な圧迫に耐えられなく成った。この女と一緒にいては、
迚も一生成功は見られぬと考えた。けれども今更|如何する事も出来なかった。 「や、....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
うまく丸めッちまうでしょう」 「吉川も怒っているって云うじゃないか?」 「ええ、
迚も怒っていますわ。昨夜も大喧嘩をして――」 「何? 大喧嘩をした? どこで?」....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
てね、薄暗い蔭の方へ顔を向けているので、年頃も何もまるで分らないけれど、みなりは
迚も立派なの。正面に私の顔も見ないで、先生に折入ってお願いしたい事がありまして夜....