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迫持
「迫持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迫持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の上層には囲繞式の採光層が作られ、そこに並んでいる、イオニア式の女像柱が、天井の
迫持を頭上で支えている。そして、採光層から入る光線は、「ダナエの金雨受胎」を黙示....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
唇をへの字のようにしてうんうんと頷き、連立って図書室の方へ行った。廊下の突当りの
迫持《せりもち》窓から一杯の西日がさし込んでいる。そこで、はる子を中心に三四人か....
「道標」より 著者:宮本百合子
階は、建物のあっち側へ通りぬけられる黒と白との市松模様のモザイックの廻廊だった。
迫持天井に装飾ランプがつられていて、廻廊に面していくつかのドアが堅くしめられてい....
「シナーニ書店のベンチ」より 著者:宮本百合子
すべての繰形《モールディング》に金が塗ってあるからけばけばしい、重いバルコニーの
迫持《せりもち》の間にあって、重り合った群集の顔は暗紅色の前に蒼ざめ、奥へひっこ....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
る一つの建物の入口を開けた。 床がしき石張で、古代ロシア風のふくれた円柱や重い
迫持《せりもち》が正面階段のまわりにある。 事務室と書いてある戸をあけた。本。....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
か、憂鬱と、素朴な宗教的情熱とでもいうようなものに充ちている。正面に祭壇、右手の
迫持の下に、聖母まりあの像があるのだが、ゴシック風な
迫持の曲線をそのまま利用した....
「女靴の跡」より 著者:宮本百合子
のあったところ、学校。それらは今日全くの廃跡である。いくらか残っている石の土台。
迫持の柱。静かな秋の日ざしのなかにそれらのものが寂しくくっきりと立っていて、ぽか....
「長崎の一瞥」より 著者:宮本百合子
はかせないことを聞いて戻り、やっと内に入った。 賑やかに飾った祭壇、やや下って
迫持《せりもち》の右側に、空色地に金の星をつけたゴシック風天蓋に覆われた聖母像、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ぞら》が青い光の淵《ふち》となって向こうに開けてる、パラチーノ丘の半ばくずれてる
迫持《せりもち》を見た。また、泥《どろ》で赤く濁ってあたかも土地が歩き出してるよ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。すべてに壮大な面影があった、司教の居間、客間、奥の間、古いフロレンス式どおりに
迫持揃《せりもちぞろ》いのある歩廊を持った広い中庭、りっぱな樹木が植えてある後園....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たものは、十六世紀式の門だった。すべてまわりのものはこわれ落ちてしまって、一つの
迫持《せりもち》らしいものをそこに止めている。記念物的なありさまは、しばしば荒廃....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て機械的にそのあとについていった。
彼らがある大きな門の人目と雨とを避けた暗い
迫持《せりもち》の下にはいった時、モンパルナスは尋ねた。
「俺が今どこへ行くのか....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
この長い薄暗いほの白い丸天井のあらゆる石に交じっているかと思われる。各出口は皆|
迫持《せりもち》になっている。リヴォリ街の所は溝渠《こうきょ》の中においても一派....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
、小さな円柱の並んでる各階、無数のガラス窓、人の足ですりへってる階段、左右二つの
迫持《せりもち》、そういうものをつけてそこに、グレーヴの広場と同平面に控えている....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なのを偉大としている。
わたしどもはどこまでも上へ上へと昇る狭い柱が好だ。
剣形
迫持の天井は思想を遠大にする。
わたしどもにはそう云う建物が一番|難有い。
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