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迷い子
「迷い子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迷い子の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
々は勿論少年に目もやらない。
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「XYZ会社特製品、
迷い子、文芸的映画」と書いた長方形の板。これもこの板を前後にしたサンドウィッチ・....
「猫町」より 著者:萩原朔太郎
汽車の軌道《レール》は、もはや何所にも見えなくなった。私は道をなくしたのだ。 「
迷い子!」 瞑想から醒めた時に、私の心に浮んだのは、この心細い言葉であった。私....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
境内にはありとあらゆる見世物の小屋がけ、客を呼ぶ声、物売りの叫び、着飾った人々、
迷い子、喧嘩、掏摸、怪我人、大変な雑沓。 「下に、下に――! 下におろうっ!」 ....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
な疼《うず》きをおぼえた。あれは迷《ま》い子《ご》の郷愁なのだろうか。僕は地上の
迷い子だったのだろうか。そうだ、僕はもっとはっきり思い出せそうだ。 僕は僕の向....
「厨房日記」より 著者:横光利一
にどっと悲しみに襲われてしまいたいと思った。 梶が探し疲れて家へ戻って来ると、
迷い子になった子供はゴム風船を持って一人ぼんやりと勝手元に立っていた。一同のもの....
「警察官職務執行法」より 著者:日本国
又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞のある者 二
迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きません。 「お兄さん、エ、コリャどうなさりました。迷《ま》い子《ご》に……エ、
迷い子はお前のお連れさんでござりますか、年はお幾つぐらい?」 訊ねてみると、ど....
「亀さん」より 著者:林芙美子
きました。 しばらくして尺取蟲の娘さんは眼を泣きはらして出て來ました。それから
迷い子の蛇が呼ばれましたが、これもすぐ、二人の番人がおそるおそるついて出て來まし....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
るような、悲しい気持を慰めてもらうのには、前川氏に会うのが、一番だったが、こんな
迷い子みたいな今の気持で、前川氏に会うことは、避けたいと思った。今日など会って、....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
、明日は自分がその戦闘帽と一しょに吹きとばされてバラバラになるかも知れない無数の
迷い子の一人にすぎないのである。彼はまだ生きてたから屍体の戦闘帽をもらっただけの....
「剣のうた」より 著者:マクラウドフィオナ
虜は「弓つくり」のアンガスと呼ばれていた。 「弓つくり」のアンガスのほかに一人の
迷い子が浜辺の海草の中にさまよっていた、素裸の小さい男の子で、青い眼をした明るい笑顔の子であった。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
していたのだった。 「や、人買いか」 「かどわかしらしい」 「かわいそうに、この
迷い子、どこの曹司やら?」 だが、この小事件と言い合せたように、ちょうど、朱雀....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かかるかもしれませんが、先生、ここをうごいてはいけませんぜ」 「うごくまい」 「
迷い子になると、てまえが捜すに苦労しますからね」と、大蔵はそこらの岩へ、牛の手綱....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
大きな栂が立っていて、どんなに雨が降ってもその根元を湿すことがなかった。その下に
迷い子の墓碑があって、子供が道に迷ったりすると、この墓碑に祈願すれば、ひとりでに....