迷ふ[語句情報] » 迷ふ

「迷ふ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

迷ふの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
、繁二子が時々の来訪を許す。 世の中の善きも悪《あ》しきも知れる身のなど踏み迷ふ人の正みち」 義雄は輝子を使として、これを岸本の許へ持たせてよこした。い....
田舎教師」より 著者:田山花袋
、われも汝をかくすべき縁持つ人間なればぞ、哀れなるものよ、むしろ汝は夜ごとの餌に迷ふよりは、かくてこのままこの係蹄に終われ。哀れなるものよ」と書いてあった。日曜....
白くれない」より 著者:夢野久作
そが中に突立ちたる奈美女は七宝の大香炉に白檀の一塊を投じ、香雲|縷々として立迷ふ中より吾をかへりみて、かや/\と笑ひつゝ、此の部屋の楽しみ、わかり給ひしかと....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
なりにき。火本は樋口富小路とかや、病人を宿せる仮家より出で来たりけるとなん。吹き迷ふ風に、とかく移り行くほどに、扇をひろげたるが如く末広になりぬ。遠き家は煙にむ....
源氏物語」より 著者:紫式部
の声が山おろしの音に混じり、滝がそれらと和する響きを作っているのである。 吹き迷ふ深山《みやま》おろしに夢さめて涙催す滝の音かな これは源氏の作。 「さ....
源氏物語」より 著者:紫式部
その手紙は若い女房を羨望させる一女性にあてて書かれるものであった。 風騒ぎむら雲迷ふ夕べにも忘るるまなく忘られぬ君 という歌の書かれた手紙を、穂の乱れた刈萱に....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
り、又、良い男がみつかつたら、それからどうなつたつて構ふもんか、などゝ色々と心が迷ふのである。 ★ 清人の依頼で富子の稼ぎぶりを五日にわた....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
うの人もそういうように考えられるかわかりませぬが。 とにかく私はすべてのことに迷ふときに、念仏申さるるようにきめる。それはこういう抹香くさくない言葉で申します....
私本太平記」より 著者:吉川英治
り畢んぬ という遺書があった。そしてまた、右方の柱にも「待てしばし子を思ふ闇に迷ふらん、六つのちまたの道しるべせん」と書いて、同筆で、 相模ノ国の住人 本間九....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
雨が降って昼過ぎから晴れ、夜に入っては「雷雨鼓を撃ち、暗夜に灯を失ひ、殆ど東西に迷ふの間、祐成等の為に多く以て疵を被る」とあるので、其時の騒動と、兄弟が太刀を真....