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迷子
「迷子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迷子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。ともかく担ぎおろして身のまわりをあらためたが、彼女は腰巾着を着けていなかった。
迷子札《まいごふだ》も下げていなかった。したがって、何処の何者だかを探り出す手が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「十九といえば、もう立派な若けえ者だ。いくら江戸馴れねえからと云って、まさかに
迷子《まいご》になりもしめえ。たとい
迷子になっても、今まで帰らねえという理窟はね....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かされたのだろうとお亀は云ったが、ふところに入れて来た目録は木の葉ではなかった。
迷子札のような新しい小判がまさに十枚はいっていた。 「まあ、十両あるよ」と、お亀....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
やかな初冬の雪片をあおり立てあおり立て横ざまに舞い飛ばした。雪片は暮れ残った光の
迷子のように、ちかちかとささやかに音を立てるばかりで、他のすべてのやつらは残らず....
「河明り」より 著者:岡本かの子
い。あの橋から南と北に大道路が走っていて、何かと基点になっています。もしはぐれて
迷子になったら、あの橋詰に立っていなさればよい、迎いに行きますよ」社長はこんな冗....
「火星探険」より 著者:海野十三
このまんまじゃ、どんどん地球から遠去かっていくわけだから、やがてわれわれは宇宙の
迷子《まいご》になってしまうだろうね」 「なに、宇宙の
迷子? いやだねえ、それは....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
。 其処にこの山があるくらいは、予て聞いて、小児心にも方角を知っていた。そして
迷子になったか、魔に捉られたか、知れもしないのに、稚な者は、暢気じゃありませんか....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
そんなものではない。ジャンガラ星です。ジャンガラ星とは、この国の言葉で、『宇宙の
迷子星』という意味です。わかりますか」 「さっぱりわかりませんね。ジャンガラ星な....
「怪塔王」より 著者:海野十三
きました。 森はしずまりかえっています。白い砂も、青草も、みな黙ったきりです。
迷子の怪塔はどこに立っているのでしょう。 怪塔の一つの謎 1 ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
ている。一日、その母親の手から、娘が、お前さんに、と云って、縮緬の寄切で拵えた、
迷子札につける腰巾着を一個くれたんです。そのとき格子戸の傍の、出窓の簾の中に、ほ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
前と、もと拾い屋をしていたという知識だけが頼りですから、まるで雲を掴むような話、
迷子を探すというわけには行きません。とうとう探しくたびれてしまったところ、ちょう....
「道なき道」より 著者:織田作之助
筆、何でもひっつく万能水糊、猿又の紐通し、日光写真、白髪染め、奥州名物孫太郎虫、
迷子札、銭亀、金魚、二十日鼠、豆板、しょうが飴、なめているうちに色の変るマーブル....
「電報」より 著者:織田作之助
一人留守番をしなくてはならなかった。ある日、三人が帰ってみると、小隊長がいない。
迷子になったのかと、三人のうちあわて者の照井はあわてた。ひとの真似ばかしする厄介....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
飛ずつ大跨に歩行くのが、何ですか舶来の踊子が、ホテルで戸惑をしたか、銀座の夜中に
迷子になった様子で。その癖、髪の色は黒い、ざらざらと捌いたおさげらしい。そのぶら....
「四つの都」より 著者:織田作之助
乗ってしまったので、着いてみると奈良だったという訳です」 節子「まあ……私はまた
迷子にばっかしなってるんですの、奈良は初めてですから」 地図を見る。 庄平(寄っ....