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「迷路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

迷路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ろめきながら奥深くたどって行くのだった。自分でさえ驚くばかり底の底にまた底のある迷路を恐る恐る伝って行くと、果てしもなく現われ出る人の顔のいちばん奥に、赤い着物....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ィ・メニー》とか長短《ロング・コンド・ショット》とかいうような種々《いろいろ》な迷路を作って、高麗《こま》鼠にその中を通過させる――ものと、もう一つは蛞蝓《なめ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、どこで終るのか、形も蟻穴のように多岐怪曲をきわめた――『蕨の切り株』の地下の大迷路です。それも、上から水がくるために、絶えず形が変ってゆく。また、沼の水面下に....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
々の会話からは遠のいて、物思わしげに黙りこくってしまう。そして果てしもなく回想の迷路をたどって歩く。 それはある年の三月に、君が遭遇した苦い経験の一つだ。模範....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のいい外貌と、内容の空虚な実質とを併合した心の状態が外にあろうか。この近道らしい迷路を避けなければならないと知ったのは、長い彷徨を続けた後のことだった。それを知....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
関係のないことを保証することも躊躇されたのです。警部は我が身を、フィラデルフィア迷路の中に彷徨しながら精神錯乱した男に較べて、脳髄のしびれて来るのを感じたことで....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
嫌疑者と目されるに至ったので、その集束がいつの日やら涯しもなく、ただただ犯人の、迷路的頭脳に翻弄されるのみだった。 その二日後――ちょうどその日は黒死館で、年....
海底都市」より 著者:海野十三
姿勢を正しく歩くとたいへん消化力が強くなるから、こうして歩くのです。この廊下は、迷路に似たもので、家の中をぐるぐる廻るようになっていますが、しかし一本道ですから....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
急に足を停めて、春部に囁いた。 「カズ子さん。どうやらこれは普通の廊下でなくて、迷路のようですよ」 「メイロというと……」 「今朝バスで一緒になったお婆さんがい....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
たちは眩しい光の中に、放り出された。 そういう段取になれば、私は間違なく、闇の迷路をうまく選り通ってきたことになるのである。下手をやれば、いつまでたっても、こ....
流線間諜」より 著者:海野十三
をかえしてみたが、それ以上の数の文字は何処にも発見できなかった。――帆村はまるで迷路の中に路を失ってしまったように感じた。かれはポケットを探ってそこに皺くちゃに....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
地獄のどん底をさぐり廻っていたような気がする。同時に、疑惑と不幸と絶望との常闇の迷路をつまずき歩いている自分のすがたを、私は見守っていた。そうして私もまた、ヘザ....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
して来るのを誰でも気づくであろう。だから此のカムパニールは、満州の喇嘛塔のように迷路の標塔でもある。 セイサア女史は校門の落成は見たらしいが、此のカムパニール....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ゆかねばならぬ路は、田舎の浮気娘の心に通じていて、そのまわりには気まぐれや浮気の迷路があり、絶えず困難や障壁が次々とあらわれるのだ。それに、彼が出あわなければな....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
弁識し難い個処がある。総じて複雑した脚色は当の作者自身といえども往々混錯して往々迷路に彷徨するは、あたかも自分の作ったラビリンスに入って出口を忘れるようなものだ....