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迹
「迹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》る声せるは、見世物師らが打ち連れ立ちて公園を引き払うにぞありける。この一群れの
迹《あと》に残りて語合《かたら》う女あり。 「ちょいと、お隣の長松《ちょうまつ》....
「新生」より 著者:島崎藤村
航海の記憶がまた胸に浮んで来た。彼は、眼に見えない烈《はげ》しい力の動いて行った
迹《あと》でも辿《たど》るようにして、自分の小さな智慧《ちえ》や力でそれをどうす....
「運命」より 著者:幸田露伴
して而して倣模せるところありしなるべし。詩に曰く、 良驥 色 羣に同じく、 至人
迹 俗に混ず。 知己 苟も遇はざれば、 終世 怨み※まず。 偉なる哉 蔵春公や、....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
されぬ。一度|光景を窺おうとして、ヒョッと眼を開いて視て、慄然とした。もう顔の痕
迹もない。骨を離れて流れて了ったのだ。無気味にゲタと笑いかけて其儘固まって了った....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
呼ぶのは、どうしたわけであろうか。富士の権現は信濃の国|浅間大神と、一神両座の垂
迹と信ぜられていたところから、浅間菩薩ともいい、富士|浅間菩薩とも呼んだりしたが....
「連環記」より 著者:幸田露伴
清閑の池亭の中、仏前|唱名の間々に、筆を執って仏|菩薩の引接を承けた善男善女の往
迹を物しずかに記した保胤の旦暮は、如何に塵界を超脱した清浄三昧のものであったろう....
「死者の書」より 著者:折口信夫
あきらめがさせるのどけさなのだ、とすぐ気がついた。でも、彼の心のふさぎのむしは
迹を潜めて、唯、まるで今歩いているのが、大日本平城京の土ではなく、大唐長安の大道....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
く封緘をしてあった。そして函書には「仲氏啓」としてあった。よく見るとそれは兄の筆
迹であった。そこで弟はそれを開けてみたが、ただ爪が一つ入っているのみで他には何も....
「道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
な音をひびかしたばかりに、山中がこんな恐ろしい思いをせねばならぬわ―― 若僧 (
迹りてひそやかに強く)今夜のうちにその悪霊は、きっと上って来るのでございましょう....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
という。そもそも移住の時から仏教と非常に深い関係があったこと、そしてそれは本地垂
迹神仏混合以前であることを特に注意すべきであろうと思う。鶏足寺とは妙な名だ。鶏足....
「闥の響」より 著者:北村四海
の方や色々と人の入った形跡を見たが、何処からも入って来た様子もなし、また出た様な
迹方もない、あまりに奇異なこともあると思いながら、それから起きて朝飯を食っている....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
賢明なり。此の皇子遺教して、自ら骨を散ぜしむ。然れども是れ親王の事にして、帝王の
迹にあらず。我が国上古より山陵を起さざるは、未だ聞かざる所なり。 とある。宇治稚....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
たその大黒とあい並んで、福神として商家に祭られる恵美須神も、かつては毘沙門天の垂
迹とまで言われて、一方では武神として崇められたほどの勇猛神であり、また一方では漁....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
も限らぬ。柳田君も「毛坊主考」の発表において、この点についてかなり遠慮せられた形
迹が見られる。「真実は必ずしも悉く公表すべきもので無いのかも知らぬ。公表する位な....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
である。其処に夏になると美しい衣に滲み出る黴のような、周囲に不調和な平原の陋習の
迹が汚なく印せらるるにしても、其他の、殊に別山から雄山に続く長い頂上の何処に、あ....