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追っかけ
「追っかけ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追っかけの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
たんだ?」
「何《なん》とか云う旧帝国の侯爵《こうしゃく》が一人、イイナのあとを
追っかけて来てね、おととい東京へ着いたんだそうだ。ところがイイナはいつのまにか亜....
「葱」より 著者:芥川竜之介
小学を出てから、浪花節《なにわぶし》を聴いたり、蜜豆《みつまめ》を食べたり、男を
追っかけたりばかりしていた、そのせいに違いない。こうお君さんは確信している。では....
「路上」より 著者:芥川竜之介
俊助はその後を見送りながら、思わず苦笑《くしょう》を洩《もら》したが、この上
追っかけて行ってまでも、泥を吐かせようと云う興味もないので、正門を出るとまっすぐ....
「親子」より 著者:有島武郎
段二畝歩にするといくらになるか」 父はなお彼の不器用な手許から眼を放さずにこう
追っかけて命令した。そこで彼はもうたじろいでしまった。彼は矢部の眼の前に自分の愚....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
としたが、すぐぼくだと知れると、ぼくの前になったりあとになったりして、門の所まで
追っかけて来た。そしてぼくが門を出たら、しばらくぼくを見ていたが、すぐ変な鳴き声....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
なかった。僕は、 「僕だい僕だい水は僕が持って行くんだい」 と泣きそうに怒って
追っかけたけれども、婆やがそれをお母さんの手に渡すまで婆やに追いつくことが出来な....
「星座」より 著者:有島武郎
(こりゃ少しうそがすぎたかなと思ったが園がその言葉には無関心らしく見えるのですぐ
追っかけて)ちょうどいないもんだから切羽《せっぱ》つまったのさ。本屋の払いが嵩《....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
仲見世で、長方形の木箱の蓋が、半ば引開になって、蓋の上には鼠がいて、開けると猫が
追っかけて来るようになっている玩具を売ってますのを見たが、これは僕の子供の時分に....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
みどり色した火のような目の飼いねこがしのんで来ました。そうして、いきなりひばりを
追っかけようとしました、カナリヤはかごのなかをとびまわりました。おうむもつばさを....
「橋」より 著者:池谷信三郎
じっと下唇を噛んでいた。一歩ごとに振動が唇に痛く響いて行った。 ――え? 彼が
追っかけるように訊いた。 ――ええ、好きかもしれないわ。あなたは私たちの結婚式に....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を無視して、要点に兵力を集めて敵線を突破し、突破が成功すれば逃げる敵をどこまでも
追っかけて行って徹底的にやっつける。敵の軍隊を撃滅すれば戦争の目的は達成され、土....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いかと思って。 何でも一大事のように返した剰銭なんですもの、落したのを知っては
追っかけて来かねやしません。銑さん、まあ、何てこッてしょう、どうした婆さんでしょ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
いでやってくれ。」 と真顔で言う。 小女が、きょとんとした顔を見ると、捻平に
追っかけの酌をしていた年増が見向いて、 「喜野、お酌ぎ……その旦那はな、弥次郎兵....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で、礼もしないで、つかつかと出そうにすると、がたがたと靴を鳴らして、教頭は及腰に
追っかけて、 「貴娘内へ帰って、父様にこんな事を話しては不可んですよ。貴娘の名誉....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
と》ろう、引取ろうと懸合《かけあ》うけれども、ちるの、びるので纏《まと》まらず、
追っかけて追詰《せりつ》めれば、片音信《かただより》になって埒《らち》が明かぬ。....