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追われる
「追われる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追われるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
ませんね。」
僕はその小みちを引き返しながら、毎年十二月九日には新年号の仕事に
追われる為、滅多に先生のお墓参りをしなかったことを思い出した。しかし何度か来ない....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
まった。しかし社宅の支那人のボオイはこう同じ記者に話している。――半三郎は何かに
追われるように社宅の玄関へ躍《おど》り出た。それからほんの一瞬間、玄関の先に佇《....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
すがに追われている身は不安だった。 もっとも、財布を拾うまでは不安はなかった。
追われる気持よりもいっそつかまった方が気が楽だと、脱走の意志は耳かきですくうほど....
「世相」より 著者:織田作之助
良かったが、大晦日の闇市を歩いてその材料の一つや二つ拾って来ようと、まるで債鬼に
追われるように原稿の催促にせき立てられた才能乏しい小説家の哀れな闇市見物だった。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てゆくと、幸之助は畑のなかへ飛び込んで、路を択《えら》ばずに逃げてゆく。追う者、
追われる者、その姿は欅《けやき》の木立《こだち》のかげに隠れてしまった。 何が....
「秋の暈」より 著者:織田作之助
私の徹夜癖は十九歳にはじまり、その後十年間この癖がなおらず、ことに近年は仕事に
追われる時など、殆んど一日も欠さず徹夜することがしばしばである。それ故、およそ一....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
風号は宇宙艇のすぐうしろにつづいてこれを静かに追っているかのように見えた。追うも
追われるも、これ倶に屍体にあやつられる浮船である。私が企てた復仇を待つまでもなく....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
うようにして紳士と怪我人を乗せた自動車は、いましも有料道路の真ン中あたりをものに
追われるように馳け続けていた。 「そういえば、なんだか見たことのある自動車だと思....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ざるわや。暑さには喘ぎ、寒さには悩み、のう、時候よければ蛙のように、くらしの蛇に
追われるに、この年になるまでも、甘露の日和と聞くけれども、甘い露は飲まぬわよ、ほ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ながら唸っていたそうです。そうして母は死に、阿倍野の葬儀場へ送ったその足で、私は
追われるように里子に遣られた。俄かやもめで、それもいたし方ないとはいうものの、ミ....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
かりやつていたのである。しかし、いつのまにか、だんだん品数が減つて、子供の世話に
追われるころには「今日は沢庵だけよ」などということになつてしまつた。その子供も今....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
E君は語る。 本所|相生町の裏店に住む平吉は、物に
追われるように息を切って駈けて来た。かれは両国の橋番の小屋へ駈け込んで、かねて見....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
かじめの中へ、草鞋を突出して休んだ。 小獅子は一層|活溌に、衝と浪を追う、颯と
追われる。その光景、ひとえに人の児の戯れるようには見えず、かつて孤児院の児が此処....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
方に広がった。歓楽湧くが如き仮装の大舞踏会の幕が終ると、荒涼たる日比谷原頭悪鬼に
追われる如く逃げる貴夫人の悲劇、今なら新派が人気を呼ぶフィルムのクライマックスの....
「妖影」より 著者:大倉燁子
、お父さま』 私は自分が発狂したのだと思いながら、すうっと入って来た白いものに
追われるように、少しずつ後退さりを始めました。それを追い出そうとして、昨日食事中....