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追善
「追善〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追善の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
の大事の鳥をか?」
「ええ、ええ、大事の鳥でもかまわなくってよ。お隣の赤さんのお
追善《ついぜん》ですもの。ほら、放鳥《ほうちょう》って云うでしょう。あの放鳥をし....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
り阿母《おかあ》さんも、まんじりとさえなさらないんだ。もっともお島婆さんの方は、
追善心に葬式万端、僕がとりしきってやって来たがね。それもこれも阿母さんの御世話に....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
。御つきになるなればそれを誰からか、はっきり判断して貰いたがっていた亡友Y――の
追善のために、是非貴君の御意見というのを聞かせて下さいませんか。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えた。結局、おじさんの菩提寺の僧を頼んで、表向きは得体の知れないお文の魂のための
追善供養を営むということにした。お春は医師の療治をうけて夜|啼きをやめた。
追善供....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
本当に小哥が戻って来たのなら、わたしの手からこの銭をとってごらん。きっとおまえの
追善供養をしてあげるよ」 やがて陰風がそよそよと吹いて来て、その紙銭をとってみ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の白雪|麓の氷 今は互に隔てていれど) あとで、鋳掛屋に立山を聴いた――
追善の心である。皆涙を流した……座は通夜のようであった。 姨捨山の月霜にして、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ませぬは因果でござるよ。 この度の釣狐も、首尾よく化澄まし、師匠の外聞、女房の
追善とも思詰めたに、式のごとき恥辱を取る。 さて、申すまじき事なれども、せんだ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
が夏に入ると鴈治郎が来て偕楽座に芝居がかかった。浜吉という尾道一の茶屋の先代の
追善興行というので、一座は所の習いに随って「町まわり」をした。尾道の通りは極く狭....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
したので、父兄たちはもう捜索の絶望を感じた。 市の人々は、涙ながらに少年たちの
追善をやっているとき、富士男はサクラ号のふなばたに立って、きっと泡だつ怒濤をみつ....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
く、親鸞影像を戻し返してつかわすのみか、他宗ながら忰源兵衛の菩提も、こなたで弔い
追善供養。三密|瑜伽の加持力にて、安養成仏諸共に、即身成仏兼ね得させん。心を安め....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
当の金をくれるそうですから、それで立派な葬式をして遣りましょう。それがせめてもの
追善ですよ。 柳 (又泣く。)金をくれる……。金を幾ら呉れたところで、娘の命が買....
「迷信解」より 著者:井上円了
なければ、いよいよ変死を遂げたるものとし、寺僧を聘して引導を頼み、戒名をもらい、
追善の法事までも営み、かれこれするうちに百カ日になりたれば、さらに
追善供養を行い....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
「辻説法」――遼陽の秋――洪水の難をまぬかる ことしは五代目菊五郎の三十三回忌
追善興行を催すという噂を聞かされて、明治劇壇もかなりに遠い過去となったことを今更....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
二日間は各劇場の興行を休む。 ○九月二十三日より十五日間、歌舞伎座にて市川団十郎
追善興行を催し、市川家の一門みな出勤す。 ○十月十三日、英国名優ヘンリー、アーウ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
「あゝ、それは……」 田代はそれにこたえた。 「出来たら、そこで、にぎやかに
追善をしてやろうと思っている。――当人の料簡がいじらしいから、……当人のそういう....