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追慕
「追慕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追慕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無惨」より 著者:黒岩涙香
敢て知らず知らざる故に之れを慕う慕うと雖も亦た及ばず是れ即ち天賦の文才にして到底
追慕するも亦画餠に属すればなりと予は筆を投じて嗟嘆して止みぬ 明治廿二年十月中旬....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
主宰シ恪勤衆ニ過グ。一藩人士翁ノ名ヲ聞キテ襟ヲ正サザルナシ。歿後二十五年、旧門下
追慕|措カズ、大方ノ喜捨ヲ請フテ之ヲ建ツ。 隠れたる偉人、梅津只圓翁の略歴は下....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
机を並べ、花を活け、茶を煎じ、菓子を挟むも、みなこれお通が堪えやらず忍びがたなき
追慕の念の、その一端をもらせるなる。母は女の心を察して、その挙動のほとんど狂者の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ば咲き満ちたうつぎの花の中に隠れ、顕れ、隠れ、顕れて、道を求めて駆けるのを、拓は
追慕うともなく後を跟けて、ややあって一座の巌石、形|蟇の天窓に似たのが前途を塞い....
「母への追慕」より 著者:上村松園
。 私の制作のうち「母性」を扱ったものがかなりあるが、どれもこれも、母への
追慕から描いたものばかりである。 母が亡くなってからは、私は部屋に母の写真をか....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
はっきり云ってないので、この歌で、杜鵑を明かに云っている。そして、額田王も亦古を
追慕すること痛切であるが、そのように杜鵑が啼いたのであろうという意である。この歌....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
今の社会にもめずらしいであろう。私は小学校時代の先生を誰れ彼れと思い浮かべては、
追慕の情に打たれる。 羽場栄太郎という校長さんは痩躯で目の鋭い精神家であった。....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ての学生会であるから、私は生みの親であるが、晩香は育ての親であった。学生の晩香を
追慕する情は誠に涙ぐましいものがある。晩香亡き後、私はむしろ二三子の手に死なんと....
「作画について」より 著者:上村松園
ありません。 私の第四回文展出品作「夕暮」は、徳川期の美女に託して描いた母への
追慕の率直な表現であり、私の幼時の情緒への回顧でもあります。....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
いる。 同様のことが、チェーホフを崇拝していたブーニンの場合にも言える。優しい
追慕の情にあふれた彼の回想記にもやはり、チェーホフの愛想のいい応対には必ず一定の....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
いえども、古来東洋の人、夢によりて禍福を知り、夢に神託を受け、婦妻の遠征の良人を
追慕し、夢の情感によりて妊孕せし等、おおむね架空の談柄たるに過ぎず。これ、自ら欺....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
劇場員は、今日先生の御遺骸をわれわれの戦い守った築地の舞台に安置して、心からなる
追慕と心からなる感謝とを捧げます。この舞台こそ、先生が親しくわれわれを指導しわれ....
「熱情の人」より 著者:久保栄
く最善の努力を続けなければならない。ただわれわれが戒心を要するのは、小山内先生を
追慕し哀悼するのあまり、先生の遺志を現在形において継承するのを忘れてはならないと....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
各国の演劇都市におきましても、さだめしこの機会に、沙翁以来の世界的戯曲家の業績を
追慕する記念公演が盛大に行われるだろうと想像されます。ただ今のところでは、ベルリ....
「西航日録」より 著者:井上円了
よび遺物を拝観し、大いに感ずるところあり。 読史曾驚革命初、憤然焼棄法王書、今人
追慕翁余徳、此地猶存旧草廬。 (歴史を読んで、かつてその革命の初めに驚いた。憤然....