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追窮
「追窮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追窮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
」
沙金《しゃきん》は、扇をすてて、静かに両手で、次郎の右の手をとらえながら、
追窮した。
「それも、兄き一人やるのならいいが、仲間を皆、あぶない目に会わせてま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ゃ僕の――」に辟易《へきえき》した俊助は、今度は全く技巧を捨てて、正面から大井を
追窮した。
「国府津《こうづ》まで。」
「それから?」
「それからすぐに引返した....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
試験でもうけているような心もちになった。この相手の口吻《こうふん》には、妙に人を
追窮するような所があって、それが結局自分を飛んでもない所へ陥れそうな予感が、この....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ありませんか。」
若者は鞭《むち》を弄《もてあそ》びながら、透《す》かさず彼を
追窮した。彼の記憶には二三日前に、思兼尊と話し合った、あの古沼のほとりの柳の花が....
「星座」より 著者:有島武郎
ょうな表情を見せながら、
「それで泣くというのは変じゃありませんか」
とむりに
追窮した。
「経験のないところに感動するってわけはないでしょう」
彼は自分なが....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
出来ない。冷淡だか、残酷だか知れないが、衰弱した神経には過敏な注射が必要だ。僕の
追窮するのは即座に効験ある注射液だ。酒のごとく、アブサントのごとく、そのにおいの....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
いるんです。わたしは、どこにいようと、余計なお世話です」 「失礼だとあれば、私は
追窮はいたしますまい。しかし万一、捜査課の警部たちがひきかえして来て、奥様にこの....
「赤外線男」より 著者:海野十三
たのだ。署の戸口を覗うなんて、何事かッ」 「いや申します、申上げます」熊岡警官の
追窮に隅田はとうとう声をあげた。「実は大変な間違いをやっちまったんです」 「うむ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
いうつもりなのか、北川大尉の気持がちっとも分らなかった。 下士どもの僕に対する
追窮はますます残酷になった。そしてついに、もう一度、あぶないところで退学されかか....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
のですか―― と、私は、博士のおもっていることを、もっとはっきりしたいと考え、
追窮した。 ――それ以上、いえない。なんといっても、いえない。―― そういっ....
「火薬船」より 著者:海野十三
の大黒星だ」 二人の話していることは、警部モロの身の上にちがいなかった。モロの
追窮があまりにきびしかったので、ポーニンもようやくそれと、彼の素性に気がついたの....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に手懸りを与えつつある。現代とても在来の経典を以て満足し、更に一歩を進めて真理の
追窮に当ろうとする、気魄のとぼしき者は多いであろう。それ等に対してわれ等は頓着せ....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
商売の手伝いをしています。」 「いつごろ帰郷したのですか。」 それからそれへと
追窮するような博士の態度を、わたしは少しく怪しみながら答えた。 「五年ほど前です....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
答えた。 「でも、狂人になるには何か仔細があるでしょう。」と、冬子は目眦を昴げて
追窮した。 「余り酒でも飲み過ぎたんでしょう。」 「そうでしょうか。」と、冬子は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
です。もし道のない所を無闇に進んで行こうものならそれがために村人の疑いを深くして
追窮されるかも知れない。よってひとまず跡戻りをしてそれから村人らに気付かれぬよう....