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退
「退〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
《わたくし》が怖《こわ》がりましょう。その証拠には、今ここで、訳《わけ》なく私が
退治して御覧に入れます。」と云いながら、斑犬《ぶちいぬ》の背中を一つたたいて、
....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
衛は蚯蚓腫《みみずばれ》になった腕を撫《な》でながら、悄々《すごすご》綱利の前を
退いた。
それから三四日経ったある雨の夜《よ》、加納平太郎《かのうへいたろう》....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
今か今かと待っていたのである。役人はまた処刑《しょけい》の手間どるのに、すっかり
退屈し切っていたから、話をする勇気も出なかったのである。
すると突然一同の耳は....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かる雲なし」と詠じた、その時の満足が帰って来たのである。
赤穂《あこう》の城を
退去して以来、二年に近い月日を、如何《いか》に彼は焦慮と画策《かくさく》との中《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
耳に挟《はさ》みながら、急に夏羽織の腰を擡《もた》げて、※々《そうそう》店の方へ
退こうとした。その途端に障子が明くと、頸《くび》に湿布《しっぷ》を巻いた姉のお絹....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
体は霊魂の家である。家の修覆《しゅうふく》さえ全《まった》ければ、主人の病もまた
退き易い。現にカテキスタのフヮビアンなどはそのために十字架《じゅうじか》を拝する....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
りながら、気違いになるくらい痒《かゆ》い思いをした。とにかく当分は全力を挙げて蚤
退治《のみたいじ》の工夫《くふう》をしなければならぬ。……
「八月×日 俺は今日....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
《いずみきょうか》の小説だと、任侠《にんきょう》欣《よろこ》ぶべき芸者か何かに、
退治《たいじ》られる奴だがと思っていた。しかしまた現代の日本橋は、とうてい鏡花の....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ここは私の家だよ。見ず知らずのお前さんなんぞに、奥へはいられてたまるものか」 「
退け。
退かないと射殺すぞ」 遠藤はピストルを挙げました。いや、挙げようとしたの....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に
退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなか....
「初雪」より 著者:秋田滋
って、仕様がなくなっちまうから――。だって、この僕が永年ここで暮していて、ついぞ
退屈したなんてことが無いんだからね」 その日は暇さえあると二人は接吻ばかりして....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
なれば、深沢は頓着せぬ様子なれど女房は胸に持ちて居ずもがなの気色見えたり。余も心
退けて安からねば「いかなる所にても自活の道を求めたし」と言えば、深沢も「折角我等....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
催された時には、化学部の部長をした。その後、会長になれといわれたこともあるが、辞
退した。一八五一年イプスウイッチの会でチンダルに逢った。 晩年には灯台の調査を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
者修行者は、巨人とか、魔法使とか、火を吹く竜とか、あるいはそれに似たもので簡単に
退治できる敵と戦いさえすればよかったし、鉄や真鍮でできた門を通り、鉄石の壁をこえ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
やりました。 「見ろ、こうしたものあ、落ってるんだてば。」 と伊作は、少し身体を
退けて、太郎右衛門にも見せました。 「ははあ! これあ、奇体な話でねいか!」 と....