退け時[語句情報] »
退け時
「退け時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退け時の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花嫁の訂正」より 著者:渡辺温
いろいろな口実のもとに、Bの細君はAの家に入り浸った。 一度なぞは、Aの役所の
退け時に、さも偶然らしく役所の前を通りかかって、一緒に散歩してお茶を飲んだり、自....
「舗道」より 著者:宮本百合子
ぞき込んだりしている。 しかし、ミサ子に、まだかい? ときく者もいなかったし、
退け時におくれまいとして熱心に打っている彼女のタイプライタアの前へ立ち止るものも....
「加護」より 著者:宮本百合子
喪服に更えるとお幾は、帯留を啣《くわ》えたまま、俥に乗った。折悪しく近所の工場の
退け時で、K町の狭い通りは浅葱色の職工服や空の荷車で夕闇も溢れるほどの混雑をして....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
のである。乳児のある母には三時間毎に授乳時間を与えられる。朝子供をつれて出勤し、
退け時まで、女医と保姆の手もとにある子について何の心配がいろう。 子を産んでそ....
「ソヴェト同盟の三月八日」より 著者:宮本百合子
からニーナの室には電燈がついているが、時刻にすればまだ四時そこそこである。今日の
退け時ほど工場の出入口が陽気だったことはない。 工場委員会は、各職場へ、特別婦....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
の夫はそれこそ妻に思いやり深くなくてはいけません。そして自身も職業を持つならば、
退け時刻の早い方が遅く帰る方を待ちうける用意をして置きなさい。朝、出かけの早い方....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
細君から命ぜられた買物をして帰るのは丸ビルが最も便利である。そうでなくても大概|
退け時には一度丸ビルを通過して東京駅に来るのである。丸ビルの下の十字街が雑踏する....